何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

御堂森に登ってきた

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中腹・山頂展望場から見る御堂森の図

GR III。PhotoShop Elementsで縮小


 先日、御堂森(おどうもり)に登ってきました。御堂森は尾花沢にある山です。標高約1056.6m。登山道が開通したのが2016年と新しく登れるようになった山ながら、ヤマケイの分県登山ガイドで紹介されたりやまがた百名山に登録されたことで、急に知名度を上げつつあります。特にイワウチワの名所としても喧伝されており、季節には探勝会も開かれるのだとか。
 折しも五月上旬。せっかく登りに行くならイワウチワも拝みたいということで、行くなら今をおいて他にありません。かくして連休明けの天気に恵まれた日、登山決行と相成ったのでありました。

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登山口のポスト。登山届だけ投函できる。

 山には尾花沢の細野地区から登っていきます。集落の外れから案内看板に従って林道を上り詰めると、駐車場完備の登山口にたどり着きます。黄色いポストが目印です。

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防火線上のロープ場。ここが前半最大の難所。

 登り始めるとじきに盛り土された稜線に合流します。この盛り土は山火事防止のために築かれた防火線で、登山道はこれを利用したものです。おそらくは甑岳のもの同様、近代以降に作られたものなのでしょう。ところどころ急勾配をはさみつつ、おおむねゆるやかな上り下りを繰り返す道が続きます。


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 防火線が切れるあたりで登山道はブナ林に入ります。お目当てのイワウチワの群落はここにあります。
 こんな大規模な群落はこれまで見たことがありませんでした。ブナ林の足元一面がイワウチワの花畑。こんな道が何百メートルにわたって続くのですから、なるほど売りにするのもうなずけます。新緑の頃を迎えたブナ林の中の、楽しい道中です。

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コブブナ。このあたりから道は急な登りになる。

 イワウチワの見頃は四月半ばから五月の上旬あたりまで。時期は終いに近かったものの、それでもけっこうな数が咲き残り、目を楽しませてくれました。
 群落の終わりにさしかかると、おおきなコブのついたブナが現れます。通称ブナコブ平。ここからは急登で山頂を目指していきます。登るうち残雪も目立ってきますが、さいわい道に迷うほどではありませんでした。

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御堂森山頂。てっぺんの方はまだ雪で覆われていた。

 かくて2時間半ほどの歩きで山頂に到着。てっぺんには石仏*1と三等三角点、そして近年設置された「御堂森」の標柱が並びます。ちなみに三角点名は「御堂ヶ森」となっています。

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正面に鳥海、背後に御所山。さすが1000m級の展望。

 山頂からは四方に眺めが開けます。西に月山、東に翁山、南には御所山が間近に迫ります。そして北には細野や尾花沢の街並みの背後に、鳥海山が白くそびえています。イワウチワのみならず、鳥海山まで拝めるのですから非常にいい時に登ってこられたようです。

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山頂手前から大崎方面を眺める。木が茂り出す前ならではの光景が広がった。

 登山道はあらかた尾根道です。眺めのいいところがところどころに現れるので、登っていてやる気が途切れません。地元細野地区の方々も登山道の整備に力を入れているようで、全行程路面の状態は極めて良好。案内看板も充実しており、迷わず登ることができました。細野地区にはもうひとつ、大平山という里山がありまして、こちらも登ってみたいものです。

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取り付きとなる雨沼林道の図。さすが四駆推奨だけのことはあるぜ。

 ついでに登山道自体は非常に明瞭で整備も行き届き、極めて快適に歩けましたが、むしろ登山口までに至る林道の方が過酷です。走った後、パジェロミニの底がドロドロになりましたとさ(おい)。


 なお、コースタイムは以下のとおりでした。帰りに小休止が多いのは、ところどころで双眼鏡を取り出して風景を見物していたからです(おい)。


8:30/雨沼駐車場(登山口)-8:42/防火線分岐-8:43/三等三角点「赤沢」-8:45/防火線分岐-8:59/図根点-9:03/ロープ場-9:21/山頂展望場-9:30/イワウチワ郡生路入口-9:52/ブナコブ平-10:05/鳥海山見晴場-10:26/モモコ平-10:32/残雪地帯-10:49-12:00(休憩)/山頂-12:11-12:25/残雪地帯(小休止)-12:41-12:51(小休止)/鳥海山見晴場-12:59/ブナコブ平-13:16/イワウチワ群生路入口-13:22/山頂展望場-13:40/ロープ場-13:44/図根点-13:53/防火線分岐-14:00/雨沼駐車場

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下山後の塩分補給。くるまやラーメンのネギみそ。
野菜ばかりだからヘルシーだぜ(おい)

 

*1:弥勒菩薩らしいです。甑岳信仰の奥の院なのだとか。