何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「TYPE-MASTER」

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 というわけで本日もMSXプログラムネタ。Mファン89年9月号より「TYPE-MASTER」、題名どおりのタイピングゲームです。


 内容は明快です。画面右側からアルファベットの形状をした敵が迫ってくるので、同じアルファベットのキーを押して撃退しましょう。敵は編隊を組んでいます。プレイヤーはその先頭から順に攻撃しなければなりません。


 遊んで目を見張るのは優れたエフェクトです。ゆらめくバックファイヤ、敵に向かって発射される弾など、一画面プログラムながらツボを押さえており、エンジンノイズや敵が爆散する音等、効果音もぬかりがありません。キー反応も至って良好。弄った感触がすこぶる良いです。肝心な部分をしっかり作り込んでいるおかげで見た目に楽しく小気味よく、爽快感が増しています。


 一編隊を殲滅すると、次の編隊が現れます。編隊を構成する敵の数は編隊を殲滅するごとに一体ずつ増えていき、どんどん難しくなっていくという仕組みです。高得点を獲得するなら、当然正確かつ迅速なキータイプが必要です。


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 本作にはいちおうエンディングがあります。そのエンディングというのが、ERROR命令でわざとエラーを発生させてゲームを止めるというもので、そのエラーが「Input past end」。ファイル入力の際に発生するエラーなので*1、タイピングで発生することはないものなのですが、字面の意味をかんがみて、あえてこのエラーをタイピングゲームのエンディングメッセージにするところなどシャレが効いています。
 しかしそのエンディングを見るための条件というのが、編隊を96個撃退すること。自力で拝むにはあまりに厳しいので、荒井はリストを改造して10編隊を倒した時点で見られるようにして確認しました(おい)。


 皆無というわけではありませんが、ホビーパソコン時代、タイピングゲームは意外と珍しいゲームだったように記憶します。当時のマイコン少年は、日頃プログラムを作ったり入力したりすることでキーボードの配列に慣れていったものでした。ですからあえてタイピングゲームで身につける必要を感じなかったからなのかもしれません。

*1:入力に対して読み込むべきレコードが少ないときに発生します。