
例によってプログラムは毎日入力しております。というわけで先日動作確認が終わったMSX2プログラム。本日はポプコム87年8月号から「SHUT THE BOX」です。

80年代には、パソコン雑誌各誌で「パソコンでパーティーを盛り上げよう!」みたいな企画をしばしば目にしたものです。BGMを演奏させたり、ゲーム大会をしたり等々。とかく「マニアの玩具」と見做されがちなパソコンというものをオシャレに楽しもうという提案だったのか、パソコンという新しい生活家電の可能性を模索していたのかなという気もします。
そんな動きとの関係はさておき、本作はパーティーゲームです。一人でも遊べますが最大6人でのプレイが可能です。人数と名前を入力したら、ジャンケンやルーレットで順番を決め、ゲーム開始です。
ゲームが始まると、画面上に1から9までの数字が書かれた箱が現れます。本作でやるべきことは、できるだけこの箱を閉じることです。

自分の番が来たプレイヤーは、まずサイコロを2個振ります。そして出目に従い、箱を閉じていきます。閉じ方は2通り。2つのサイコロの目の和と同じ数字の箱をひとつか、それぞれの目と同じ数字の箱ふたつか。どっちにするかはプレイヤーが任意に選べます。当然、すでに閉じている箱は閉じることができません。
サイコロを振っては閉じてを繰り返し、閉じられる箱がなければ失敗となりターンは終了。終了時点で残った箱の数字がスコアに加算され、次のプレイヤーの番となります。
スコアはペナルティのようなものです。46以上になると失格。そのプレイヤーはゲームから脱落となります。かくて各自振って閉じてを繰り返し、最後まで残ったプレイヤーが優勝となります。

ルールは一度やれば飲み込める程度に明快です。これに変化を付ける三つの特別ルールがあります。
ひとつは「保険」。ゾロ目が出た場合、失敗しても1回やり直せる「保険」が付きます。サイコロを振れる回数が増えるため、保険があるほど有利になります*1。
ふたつめは「サイコロ1個」。残った箱の数字の合計が6以下になると、振るサイコロを一つに減らせます。ターン終盤のプレイの効率化を図っています。
そして「パーフェクト」。全ての箱を閉じるのに成功すると、パーフェクトボーナスとしてスコアが0になります。終盤でこれが決まれば一発大逆転も可能なので、最後まで気が抜けません。

とはいうものの、勝敗はサイコロの出目にてきめんに左右されます。こうすれば常勝無敗という必勝法はありませんし、プレイヤーの腕に応じて有利になるという要素は少ないです。悪く言えば勝敗は運次第、ということなんですが、意外や意外、遊んだ印象は決して悪くなく、むしろ非常に良好なのです。

パーティゲームとして正解なのだろう
本作はそこそこに負ける一方で、特別なことをせずともけっこう勝てます。それはつまり上手い下手に関係なく、参加したプレイヤー全員に、勝てる可能性があるということでもあります。対戦ゲームだったら対等の勝負をするためには各自それなりの習熟が必要ですが、本作の場合、やりこみを要するまでもなくいい勝負ができます。一局も短めでテンポも悪くありません。いいかんじに勝てるしいい感じに負けるので、「次も勝とう!次は勝つぞ!!」と、何度も遊んでしまうのです。
様々な実力差のあるプレイヤーどうしみんなが等しく楽しめることは、「パーティゲーム」必須の要件であります。
この「SHUT THE BOX」は「ストリートファイター」や「ぷよぷよ」ではなくて、飽くまでどこまでもパーティーゲーム。双六やビンゴの仲間なのです。

「しぇーっ おわっちゃった!」 ユーはおフランス帰りですか(おい)
プログラムは少々長めながら、記述が素直で、見通しは良いです。グラフィックデータがリスト全体の1/3を占めるものの、形式がよく整っているので、入力はしやすいでしょう。MSX2ならではのSCREEN5を採用したグラフィックはシンプルながら品が良く、見た目も悪くありません。作中の進行メッセージも適度にユーモラス。当時のコンピューターゲームにありがちな馴れ馴れしさや罵倒の文句や傲慢さがないのも非常に好感が持てます。概して作りが丁寧で、勝っても負けても気持ちよく遊べるので、これは良作と言って差し支えないでしょう。

なお、本作はリスト中でSET BEEP命令を使っています。プリセットしたBEEP音設定を変えられるのが嫌だったら、580行と2570行に細工しましょう。
また、誌面では印字が潰れて1410行が見づらくなっています。それと2250行の「PD=(0)=16」はおそらく「PD(0)=16」のまちがいだとおもいます。
ところでいろいろ調べてみたところ、「シャットザボックス」は古くから遊ばれてきたテーブルゲームだそうで、本作はそれをコンピューターで再現したもののようです。直接の下敷きになったのはアスキーのPC-6001シリーズ用ゲームコレクション「AX-4」収録のものらしく、画面構成や効果音はほぼそのまんま(おい)。ただしグラフィック性能に優れるMSX2らしく、サイコロの動きや箱のアニメがスムーズになっています。
p6ers.net
*1:すでに閉められる箱がない場合は即やり直し。いずれにせよ失敗を1回免除されることは同じです。