何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

ふたたび甑岳に登ってきた

f:id:fukenko:20170609094744j:plain


 というわけで先日おはなししたとおり、甑岳に登ってきました。甑岳は村山市にある山で、標高1015メートル。街の中心部楯岡の背後にあって村山市内どこからでも大きくよく見えるため、葉山と並ぶ村山市民の山として親しまれていることは、市の文化施設が「甑葉プラザ」の名を戴いていることからもよくわかります。荒井も6年前には、楯岡にほど近い幕井貯水池からのコースで登頂を果たしています。
 しかし今回登ってきたのはその幕井コースではなく、南の東根市から山頂に至るハチカ沢コースです(おい)。おもえばハチカ沢コースは登ってみようと10年以上前から何度か下見までしたにもかかわらず、まだ登ったことがありませんでした。今回一念発起して、ようやく行ってきたというわけです。


f:id:fukenko:20170609083623j:plain
f:id:fukenko:20170609124216j:plain
f:id:fukenko:20170609085802j:plain


 ハチカ沢コースは平成6年(1994年)、地元有志によって拓かれた、比較的新しいルートです。日塔川沿いより分岐した林道を上り詰めたところにあるきのこ園が登山口。きのこ園までは車で入れる上、案内看板もあるので、取り付きはわりといい方です。


f:id:fukenko:20170609090005j:plain
f:id:fukenko:20170609091022j:plain
f:id:fukenko:20170609091505j:plain
f:id:fukenko:20170609093034j:plain


 9時に登山開始。きのこ園からはしばらく平場が続きますが、一ノ坂なる急登を越え、かつてハチカ沢山荘なる山小屋があった広場にさしかかれば本格的な登りの始まり。以降二ノ坂、三ノ坂、と急な坂がいくつも続きます。道はよく整備され快適そのもの。ところどころ標柱も立てられているので、現在地を見失う心配は少ないでしょう。


f:id:fukenko:20170609094615j:plain
f:id:fukenko:20170609094639j:plain
f:id:fukenko:20170609101049j:plain


 八つの急登を登りきると、東根と村山の境にあたる尾根に出ます。通称「防火線」。明治初期に山火事対策として土塁が築かれたのでその名があるのだとか。こんな工事をするのはやはり三島通庸あたりだろうかと気になりつつ、雑木林の中を進みます。
 このあたりは稜線上の鞍部にあたります。そのせいか熊の通り道にもなっているらしく、目撃情報もちらほらと。そういや去年、この近くの観音堂で熊が出たとニュースになってたなと先を急ぐと、これまでで一番きつそうな壁のような坂「苦楽ノ坂」に到着。ここが前半の山場です。


f:id:fukenko:20170609102117j:plain
f:id:fukenko:20170609102930j:plain
f:id:fukenko:20170609104403j:plain
f:id:fukenko:20170609105432j:plain
f:id:fukenko:20170609105444j:plain


 苦楽ノ坂を越えれば程なく幕井コースとの分岐が現れます。このあたりが中間地点。ここから先は以前登っているので、翁松や徳内坂など見覚えのある光景が続きます。
 傾斜もきつくなりますが、そのぶん登るほど展望も開けてきます。圧巻は徳内坂を登りきったところからの山形盆地の展望です。この日はそれなりに天気がよく、相対する葉山や月山はもちろん、南には先日登った大森山と水晶山、北西を見れば雲こそかかっていましたが、鳥海山のてっぺんもなんとなく姿を覗かせていました。


f:id:fukenko:20170609105938j:plain


 そして11時に山頂広場に到着。厳密には山頂はさらに10分ほど登ったところにあるのですが、眺めも雰囲気も断然広場の方が優れているので、ここをもって登頂としました。
 アルストで湯を沸かし、カップ麺をむさぼったところで下山開始。急な坂が多いので帰りは登り以上に気を遣います。まじめに下ったおかげか、山頂から1時間ほどでふたたびきのこ園に戻ってきたのでありました。


f:id:fukenko:20170609123920j:plain


 ハチカ沢コースは全行程が尾根道です。道中の大部分はナラやクリといった広葉樹のトンネル*1。そのため杉林が多い幕井コースよりも爽快な印象を受けます。急登も多いですが、終始楽しく歩けるコースです。
 ついでにきのこ園の建物の裏から見る風景もなかなかのものです。山に登らずとも、風景を見にここまで来てみるというのもわるくなさそうです。

*1:ウルシもほうぼうで見かけました。紅葉がきれいそうですが要注意です。