何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

旧舟形街道を歩いてきた

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 先日足尾に行ってきた際、大蔵村に詳しい参加者さんから、舟形街道の旧道が残っていて歩けるようになっていると教えてもらったので、様子を見に行ってきました。


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 舟形街道とは、今で言う県道31号・主要地方道舟形大蔵線に匹敵する道です。舟形で羽州街道から分岐して大蔵村の中心地清水に至ります。古くは最上や北村山方面から出羽三山詣でをするための道だったそうで、かつては清水から舟に乗って、最上川経由で古口や狩川へとつながっていたとのこと。舟運は途絶えて久しいですが、県道は清水から国道13号線に至る最短経路として、地元住民によく利用されています。残っている旧道は、最上川右岸の高台清水台から清水に至るわずかな区間。歩いて10分程度といったところでしょうか。
 入り口には一応標柱が立ち、ところどころ階段なども設けられています。もちろん未舗装ですが幅は広くて状態も良好。短いながらも地元教育委員会や有志の手が入っているようです。杉の落ち葉を踏みつつ林の中を下りていくと、やがて清水の八幡神社のわきに出ます。境内の片隅にある安政年間の追分石が、ここが旧街道の分岐であることを示しています。


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 途中にある四阿からは、最上川を見下ろせます。清水台の高いところにあるので展望は抜群。最上川や清水はもちろん、赤松と烏川の集落や、向こうに月山と葉山を一望にできました。舟形街道はわりとよく通る道なのですが、そのすぐそばにこんないい場所があったことは全く知りません。やはり地元でも知らないことは多いものです。


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 これだけでは歩き足りないので、その後肘折に行って石抱温泉の様子も見てきました。発電所から温泉までの道はまだ雪が残っているため、今は足が頼りとなります。温泉の表面には藻が厚く張り、入れる状況ではありませんでしたが、かわりにそこで久々に米を炊いて昼食としました。おともはおなじみ日東ベストさんの牛丼の素と、途中で摘んだコゴミがいくらか。新緑を見ながらの外飯はやはり気分がいいものです。