何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「虚空の牙城」クリアした




先月は「アシュギーネ強化月間」と称して(おい)、
MSX2用に出ていたアシュギーネ三部作で遊んでいたのですが、
ようやく三本目「虚空の牙城」をクリアしました。






「アシュギーネ」はパナソニックの激安MSX2、FS-A1のマスコットキャラクターです。
パナソニックが「ペンギンズメモリー」等で知られる
広告代理店「CMランド」と手を組んで世に放ったキャラクターなのですが、
緑色のトカゲ人間みたいなヴィジュアルはあまりに強烈で*1
べーしっ君」で荒井清和先生に「メタリックなぽこ」とネタにされるに至ります(おい)。
それはさておき、アシュギーネのインパクトは十分で、
往時のMSXユーザーにはそれなりに知られた存在でありました。


それでパナソニックがFS-A1のキラーコンテンツの一つとして用意したのが*2
アシュギーネのゲームなのですが、そういうわけで、
パナソフト名義で3本のアシュギーネ作品が世に出たのでありました。
ひとつはビッツー制作「伝説の聖戦士」、
もうひとつはマイクロキャビンの「復讐の炎」、
そして今回取り上げたT&Eソフトの「虚空の牙城」。
特に「復讐の炎」と「虚空の牙城」は、A1のみならず、
パナソニックが発売した外付けSRAMカートリッジ
「パナアミューズメントカートリッジ(PAC)」の発売を受けたようで、
データをSRAMに記録できるほか、双方でキャラクターを
共有できることを売りにしていました。





アクションゲームなのにアクション自体がつまらないという、
アクションゲームとして致命的な欠陥を抱えた「伝説の聖戦士」。
大味で竜頭蛇尾の感が否めない「復讐の炎」。
不幸にもアシュギーネ作品にはやっつけ感が漂うのですが、
その中でも「虚空の牙城」だけは例外で、
快適な操作性、爽快な戦闘、変化に富んだ展開、適度に挑発的な難易度、
描き込まれたグラフィックにカッコイイ音楽、スムーズスクロールと、
MSX2の性能とT&Eのゲーム作りの技が活かされ、
なかなかの完成度と遊びごたえを誇ります。


「虚空の牙城」は縦スクロール型アクションで、
アシュギーネを操り6面を戦い抜き、両親の敵である
宿敵バヌーティラカスを倒すのが目的です*3
主な武器は3段階に成長する剣と、自動で敵を殴りに行くオプションこと「制御球」。
剣でズバズバ斬りつけて敵をやっつけていくのが非常に気持ちよいのはもちろん、
ヒットすると剣の切っ先が血糊で赤く染まるというバイオレンス表現付き(笑)。
内容はその見た目もあって、後年T&Eソフトが制作した
MSX2STG「アンデッドライン」に通じるものがあります。
「虚空の牙城」単体で始めるとけっこう手応えがあるのですが、
データ互換を利用して「復讐の炎」でみっちりキャラクターを鍛えておけば、
途端に虐殺ゲームと化すという、ヌルゲーマーにも優しい仕様です。
だから荒井でもクリアできたわけですな(おい)。





ところで本作のBGMは、「AXS」やTMRのプロデュース等で知られる
浅倉大介さんによるものなんですが、
A1発売当初、ポプコムパナソニックとタイアップして
「アシュギーネのテーマ曲コンテスト」なんてことを開いてます。
記事には入賞作はアシュギーネ作品で使うみたいなことが書かれてあるのですが、
果たして浅倉さんと何か関係があるのか気になるところです。

*1:動物擬人化キャラなのは、ひこねのりお先生とおんなじだ!(おい)

*2:当時はメガロムの勃興期で、パナソニックのみならずソニーでも、豊富なメガロムソフトで遊べることを自社MSX2の売りにしていました。

*3:アシュギーネシリーズのストーリーは、細部こそ異なるが三作ともだいたい同じ。惑星ネペンテスに住む二つの種族間の戦乱に巻き込まれ両親を失ったアシュギーネが、戦乱の首魁バヌーティラカスに復讐するというもの。