今回は少々リスト長めの大作ながら、真面目に取り組んだのでわりと早く入力が終わりました。というわけでご紹介するのはこないだ打ち終わったプログラム「BALUM君SPECIAL」。例によって電波新聞社のMSX・MSX2プログラム大全集収録の固定画面アクションパズルです。
本作はオリジナル作品ではありません。ベーマガ86年4月号に掲載されたパソピア7用作品「BALUM君」がオリジナルです。主人公バルム君は風船の男の子。悪の「まるは」にさらわれたガールフレンド・バルミを救出すべく、まるはの城に乗り込んだというストーリーで、風船ならではのアクションを採り入れたパズルゲームでした。
本作「SPECIAL」はオリジナルの作者さんとは違う方によるアレンジ版です。制作者さん曰く「移植版ではない」とのこと。位置づけとしては「勝手続編」とでも言うべきものでしょうか。MSX版はパソピア版の後日譚で、まるはの逆襲によりふたたびバルミをさらわれたバルム君が、より手強くなったまるはの城に挑むという設定です。
当時のパソコンゲーム誌にて勝手移植はあたりまえに見られることでしたが、別の読者が勝手に作った続編やアレンジ版が掲載されるというのも、わりと見られることでした。
MSX版はおおむねパソピア7版を踏襲しているようです*1。バルム君を操り、バルミを救出して部屋から出ればステージクリア。ところがバルム君は風船なので、自由には動けません。何も操作しなければ勝手に上に昇ってしまいますし、そのままでは下降することもできません。トゲにぶつかれば割れてしまいます。そこで役立つのがアイテムの「二酸化炭素」と「ピッケル」。二酸化炭素は拾った数だけ下降できるようになり、ピッケルは両側のオブジェクトを壊せます。これらアイテムをうまく使って進路を作るのがクリアの鍵。そこがパズルゲームであるゆえんです。
スペシャルだけに、オリジナル・パソピア7版からはずいぶんグレードアップしたようです。面数はオリジナルの3倍の全30ステージ。速度調節機能なんかも付いてます。さらに最終面をクリアすると登場するMSXオリジナルのラスボス「キングまるは」。ここだけサイドビューのアクション戦闘モードになるのですが、もろ「ザナドゥ」(笑)。キングまるはは尻尾が弱点で、そこにピッケルを打ち込めばダメージを与えられます。それまでクリアしてきたステージの数や、拾ってきたアイテムの数によって自分やキングまるはの強さが変わるため、周到に準備しておかないとまず勝てません。
全体的に作りはよく、多色刷りPCGを使った画面は見栄えがいいですし、リストも見やすいです。なかなかよさげではあるのですが、やってみるとこれが非常に難しくて、けっこうストレスが溜まりました。
原因は主に操作性の悪さでしょう*2。クリアにはシビアなキーさばきが必要ながら、キー反応が鈍いため思い通りに動かしづらいです。それと勝手に上昇するバルム君の仕様にも悩まされました。移動が16ドット単位なので昇るタイミングが掴みづらく、下降に失敗して二酸化炭素を無駄遣いし、そのまま手詰まりになることもしばしば。アクションが肝のゲームなのにキャラクターが動かしづらいと、せっかくの面白さもすっかり目減りしてしまいます。他の部分の出来が非常によいだけに、もっと気を遣って作り込んでくれれば...と残念でなりません。
ところが。一見アクションを駆使してクリアするゲームだと思ったんですが、プログラムを読むうち実質ターン制のセミリアルタイムゲームだと気付きまして、そしたら途端にパズルが解けるようになりました。次のルールがわかると、だいぶ自在にバルム君が動かせるようになります。
このゲームは「フラッピー」ではなく「ドラゴンスレイヤー」だったわけです。なるほど、だったらこの操作性でも十分ゲームとして成立しています。やっぱりしっかり遊びこまないとゲームの性格が見えてきませんな(苦笑)。卵豆腐をプリンと勘違いしてました。ごめんなさい!
それでなんとかかんとかゲームを進めて13面。一番上のトゲに穴を開ける方法が分からずストップしてます。どうやってクリアすればいいんだ...*4