何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「花泥棒大作戦」




 順番が逆になってしまいましたが、他を紹介したならこれも外せないのでご紹介。
 今回の「花泥棒大作戦」は、ベーマガ86年6月号に掲載されたMSX用パズルゲームです。以前採り上げた「がんばれトコちゃん」シリーズの初回作で、作者はもちろん同じ方。おなじみトコちゃんが、地下室に隠された珍しい花が枯れてしまうのを捨て置けず、花泥棒をするという筋書きです。
 登場キャラクターを紹介するタイトル画面が、昔懐かしいかんじでよいです。最近こういうタイトル画面見なくなったな。





 内容は至って当時らしい様式の、固定画面式アクションパズル。トコちゃんを操り、画面内の全ての花を集めれば1面クリアとなります。
 トコちゃんは画面内に落ちている「パワー」を取ることで壁に穴を開けたり、はしごをかけることができまして、これを利用しながら花の奪取を目指します。巧いのは「パワーは一度に一つしか持てない。」「パワー一つにつき、一つ穴を開けるか梯子をかけられる。」「パワーを持っている間は他のパワーやアイテムを取れない。」というルール。
 時には敵をあしらうアクションのテクニックなども求められ、詰め将棋のように次の手を考える面白さ、解く楽しさはなかなかのもの。全6面と面数少なめなのがちょっと残念ですが、その分リストも短く収まっているので、面数やコンストラクション機能を求めるのは欲張りというものでしょう(笑)。





 高度なリアルタイム処理を必要としない、作りやすい等々の理由で、80年代、この手のアクションパズルはよく見かけたものでした。この手のパズルゲームはルールとそれを活かせる問題の質で出来が決まりますが、本作は間違いなく及第点以上、誰にもお勧めできる良作だと言えるでしょう。