ここでもう一度まとめてみましょう。迷亭先生流のそばの食べ方は、
1. 箸にひとしゃくいに引っ掛け、
2. そばの下3分の1にツユをつけたら、
3. 一口に吸い込み、
4. 噛まずに飲んでのどごしを味わい、
5. 3口半か4口で食べきる、というものでした。
今でもそば通の人が多く語るのはたしかこの食べ方のようですね。
通や粋を気取るのはカッコ悪い。漱石は皮肉を込めてるんでないでしょうか。
食通として知られる池波正太郎氏は、料理を食べる際は非常に謙虚だったそうです。偉ぶらず知識をひけらかさず、ごくごく自然にあたりまえに料理を楽しむ。本当の通や粋というものは、そういうもんだと思います。
自分は「通」と言われるよりも「旨そうに喰うねぇ」と言われる方が嬉しかったりするのですが。