GR III。PhotoShop Elementsで縮小
というわけで性懲りもなく鳥海山に登ってきました。
今年の8月は晴天に恵まれているものの、山に行くのをためらってました。なぜならやたら入道雲が多く、急な雨や落雷がおっかないから。それがここに来て雲のない晴れが続きそうだったのと、ふもとが37℃もの酷暑になるというので、これは辛抱たまらんと、高い山に涼みに行くことにしました。
鳥海山にしたのは、一番天気が安定しそうだったから。蔵王や小東岳あたりも検討したんですが、そちらは午後から雨が降りそうだというのでやめにしました*1。
今回はお手軽に湯ノ台コースから山頂を目指します。先月先々月と外輪山から心字雪渓を眺めるうち、あざみ坂も登りたくなったんだい(おい)。
朝7時半過ぎに高原ライン終点に到着。やはり夏山シーズンの最盛期、駐車場にはすでに登山客の車が多数駐まっています。支度を終え、早く河原宿や雪渓あたりの涼しいところに行きたいぜ、と歩き始めます。
八丁坂にさしかかると、一気に展望が開けます。奥羽山脈は雲だらけです。そのかわり海の方は素敵に晴れ上がり、眼下に庄内平野を一望できました。最上川の河口や酒田・鶴岡の街、月山や温海岳に至るまでくっきりはっきり。過去何度か出入りした中で、最高の庄内平野の展望です。沖に目をやれば、粟島の奥になんと佐渡島まで見えました*2。鳥海山から佐渡島が見えるとは噂に聞いていました。それがまさか夏のこんな暑い時期に拝めるとは。これだけでも登りに来た甲斐があったというもんです。
河原宿で一息ついて、大雪渓・小雪渓を順当に通過。やっぱり急だぜとあざみ坂を登り切れば、あとは新山を眺めながらの楽しい外輪山歩きです。
湯ノ台コースのありがたいところは、水に困らないことです。それはなんといってもコースの呼び物である心字雪渓のおかげ。雪が残っている限り潤沢に雪解け水が得られます*3。さらに雪があるから涼しい(おい)。ですのでこんな日の山登りには非常に助かります。冬の小雪とこの夏の暑さですっかり小さくなってましたが、それでも少しは残っているのは、さすが鳥海山有数の雪渓です。おもえば5月は滝ノ小屋のあたりでさえ、あれだけ雪が積もってたんだよなぁ。
今日は時間に余裕があるので、七高山にも当然寄ってきます*4。それから断崖を下って大物忌神社の本殿にお参りした後、無事新山登頂を果たしました。
この日は天気予報のとおりに雲が出てました。奥羽山脈方面はさっぱり見えません。横手盆地も栗駒山も神室連峰もすっかり厚い雲に覆われています。登るときは見えた月山もすっかり雲まみれ。それでも新山のてっぺんからは、佐渡島が見えてたりします。今日は鳥海山で正解だったなと大いに満足しました。
新山を下ったところで昼休憩後、再び外輪山に登り返し、来た道を引き返します。伏拝岳からあざみ坂を下り、雪渓にさしかかる頃には山頂付近も雲が増え、ガスに閉ざされたら大変だ、と先を急ぎます。かくて登山口に戻ってきたのは16時過ぎでした。
気づけば今年は5月から毎月1回は鳥海山に出入りしています。毎月登りに来ると、雪の量、咲く花の種類や海の色、風の温度等々、季節の変化を五感で理解できます。外輪山のコバイケイソウはあらかた姿を消し、かわりにイワギキョウの紫の花があちこちで咲いています。6月末には黄緑色だったホソバイワベンケイは、訪れるたび、黄色から赤へと変わりつつあります。チョウカイフスマはそろそろ終いでしたが、まだいくつか見つけることができました。
難しすぎず簡単すぎず、変化に富んで眺めは抜群、日帰りできるのに歩きごたえたっぷりと、鳥海山はがっつり登りたいときに実にぴったりです。
例によってコースタイムは以下のとおりです。若干早めに出たのにてっぺん付近でうだうだ過ごしてたので、帰りはいつもと同じくらいです(おい)。次は河原宿から月山森方面に足を伸ばして、千畳ヶ原の草紅葉でも拝みたいもので。
7:35/登山口-7:46/滝ノ小屋-8:28-37/河原宿-9:04/大雪渓-9:38/小雪渓-9:46/あざみ坂-10:14/伏拝岳-10:31/行者岳-10:54-11:01/七高山-11:15-30/大物忌神社本殿-11:50-12:10/新山-12:27-12:50/御室小屋-13:17/行者岳-13:30/伏拝岳-14:00-09/小雪渓-14:32/大雪渓-15:00-04/河原宿-15:48/滝ノ小屋-16:02/登山口