年の瀬ですがプログラムはあいかわらず入力中です。というわけで本日もMSXプログラムネタ。今回ご紹介するのはベーマガ86年7月号掲載の固定画面アクションゲーム「TENBIN KUN CLUB」です。オリジナルは日立ベーシックマスター用のゲームで、それをMSXに移植したもののようです。ちなみに作者さんは女流プログラマーのようで、他にも女性ならではのかわいらしいデザインの作品をいくつかベーマガに投稿してました。
題名の「TENBIN」とは天秤のことです。画面上に表示されているカラフルなフレームは天秤というわけですな。プレイヤーは主人公モコちゃんを操作して画面内に散らばる錘を拾い、規定の重さで天秤が釣り合うよう、左右の皿に置いていかなければなりません。錘は三種類あります。重いものほど効率がよく、皿に置いたときの得点も高いのですが、移動速度が落ちて、お邪魔キャラのイタズラ小僧に捕まりやすくなります。
MSX移植にあたっては、オリジナルのお邪魔キャラ「水玉」が追加されています。水玉はときどき現れ、放置しておくと皿の上に落っこちて、それまで運びこんだ錘をすっかり流し去ってしまいます。そうなると一から運び直しとなるので、出現したら早く消しに行かなければなりません。水玉のおかげでゲームにランダムなアドリブ要素が加わっています。
アイディアはユニークで、新要素も盛り込まれていながら、全体的に単調かつ淡泊で、もうひと味欲しいかなという印象。キャラクターが8x8ドットと小さくて見た目がちまちましているのも、残念なところです。