何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「LITTLEサーキット〜電波杯〜」




 また一本プログラムを打ち終わったのでご紹介。今回のはベーマガ88年6月号掲載の「LITTLEサーキット〜電波杯〜」。作者TakaちゃんSOFTさんはベーマガで数々のSC-3000作品を発表した常連投稿者で、MSXでも数々の作品を発表しています。
 同氏の代表作は「PEAマン」シリーズですが、本作は一見「ロードファイター」等を彷彿させる2Dレースゲームです。





 ルールは至ってかんたん。制限時間内にゴールすること。敵車とぶつかったりコースアウトすると大幅なタイムロス。
制限時間を切ればコースレコードとして記録されます。
 売りはマシン語を使ったスクロール。画面もそれなりにきれいで、この画面が高速で流れていくのは投稿作品としてはなかなかのレベルです。





 ただしこの作品...全然面白くありません(おい)。
 スクロールこそ早いものの、それ以外の作り込みが甘いです。コースは徒に長く難しく、展開が単調。完走するまで淡々と避けづらい敵車を避け、曲がりづらいカーブをひたすら曲がるだけ。変化もなく嫌な緊張感だけが延々と続き、スピード感を味わう前に飽きが来ます。ゲーム中効果音がほとんど無く、無音の状態が続くのもいただけません。規定タイムを満たさないと罵倒されて終わるというのも後味が悪いです*1


 本作は技術面や見た目はがんばっているのですが、レースゲームに必要な「迫力」と「疾走感」に欠けます。技術的に難しいことはしていないにもかかわらず、以前紹介した「HYPER MACHINE」や、学研レースゲームの方が面白いと感じるのは、このあたりの差だろうなと思ったのでありました。


 作者は後に続編「MIDDLE CIRCUIT」を発表しています。敵車を増やしたり効果音を付けたり、コースの構成を見直したりと様々な改良を加えていますが、そちらはSC-3000用で、どのように変わったのかMSXでは確かめられないのが残念なところです。

*1:作者曰く「一目見ればあまりのすばらしさに寝た子も起きる特別メッセージ」とか。当時のゲームではよくあることではありました。