こないだ「グロリアスフォース」をイメージ化したついで、こんなプログラムもイメージ化しました。
今回紹介する「GENIUS」はMSX用シューティングゲームです。作者は矢川忍氏、「ポプコム」1987年7月号に掲載されています。これも「イース」と同期ですな。
プログラムは全てマシン語で組まれているのですが、その領域がディスクワークエリアを侵食しているため、テープ専用となっています。特に打ち込みプログラムに多いのですが、テープ専用になっている理由の大半は、このワークエリアの問題です。
さておき、本作はアイテムを取ればパワーアップ、各面の最後にはボスキャラが待っているという、当時の横シューを意識しただろう作品です。そのあたりは微妙に「グラディウス」っぽい題名にも伺えるのではないでしょうか。「GENIUS」とは「ジーニアス」と読みまして、英語で「天才」という意味です。
ゲーム自体は、敵のパターンが少ないのとBGMがないためか、非常に地味かつ淡泊です。変化や起伏に乏しいため、シューティングならではの爽快感はあんまりありません。さらにショットを強化しすぎるとパワーアップアイテムまで破壊するという困ったちゃん仕様。まぁ、このあたりはアマチュア製作の打ち込みプログラムの限界といったところでしょうか。
とはいえ操作性や動作速度には特に問題もなく、今でもそれなりに遊べるわけですから、打ち込みプログラムのシューティングとしては、相当に高水準な出来でした。
当時のBASICで組まれたシューティングゲームなど、ショットは画面中に一発しか出ない、爆風の描画で処理が一時停まる、何より遅いなんてのは当たり前で、今にして思えばあんな言語でよくシューティングを作っていたもんだと思うほどです。ですから処理速度の面ではるかに有利な「オールマシン語」のシステムは、当時のユーザーの目に「凄い技術」として映ったわけです。
さて、本作はジョイスティック専用なので、ジョイスティックが使える環境でないと遊べません。エミュで走らせた時も、外付けUSBパッドのお世話になりました。
ポプコムの解説記事も「キーボードで動かせるよう改造してみてちょうだい!」と、訴えていましたが、ジョイスティックやジョイパッドは今ほど安価なデバイスではなく、当時のユーザーはキーボードでゲームをするのが当たり前でした。
一応、荒井が使っていたのはカシオのMX-10なので、本体だけでも遊べました(遠い目)