何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

安けりゃいいってもんじゃねぇ

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 個人的には半額であっても人が殺到して大混乱する中食うよりも、倍額でもゆっくり食べられる方がはるかによいので、あんまり行きたいとはおもいません。


 やたらな値下げは販売戦略として、極めて悪手なのではないかとは、近年しばしばかんがえることではあります。

なぜ手ブレ補正などおつけになったんですか!改め続SR

 というわけで大東岳で撮った画像を眺めているうち、荒井が使っているデジカメ・リコーのGR IIIのイメージセンサーにホコリが混入していることが判明しました(泣)。きのうのエントリの画像を見ていただければわかるんですが、横構図の空が映り込んだ画像の右上あたりに、一様に点のように色が変わってるところがあります。特に目立つやつがそれ。
 GRシリーズのゴミ混入問題は初代機から存在するシリーズの宿痾とも呼べる問題で、ダストリムーバル機能付きのIIIでさえも完全には解決していないと指摘されています。ですので、あぁ、とうとう俺のGR IIIにも来たか、これはGR IIIを整備に出して、その間の代替としてGR IIIxを買えということなのか...という気分でしたが(おい)、ダメ元で30回ぐらいダストリムーバル*1を試してみたところ、件の右上あたりの点がけっこう改善されました。ないマシ程度には効いているようです。やったぜご飯がうまい(おい)。

*1:必要に応じて、メニューから手動でもダストリムーバルを実行できる仕様です。

大東岳に登ってきた

東岳。去年三方倉山で撮ったやつ。高さ四千尺

GR III。PhotoShop Elementsで縮小


 てなわけでこないだ告知したとおり、よく晴れた連休の末日、大東岳に登ってきました。大東岳仙台市の西方、山形と宮城の県境近く、二口峠の入り口にある山です。てかこの界隈の山地・二口山塊の最高峰。二口峠に出入りするようになってから、その存在はなんとなく気にしていたのですが、ここ数年、周りの山々から伏せたババロアのようなその姿を眺めるうちいよいよ登りたくなって、とうとう登ってきたといういつものパターンです(おい)。

毎度おなじみ磐司岩。この奥に大東岳がある

 登山道は二口キャンプ場そばの登山口・本小屋を起点に反時計回りに山頂を目指す立石沢コースこと「表コース」と、同じく時計回りに登っていく大行沢コースこと「裏コース」の二つがよく知られています。特に両コースをつないで本小屋に戻ってくる周回コースが人気なのですが、荒井はへなちょこ登山者なので、表コースの往復にとどめました(おい)。
 裏コースは滑落の恐れが高い険路で、たびたび遭難事故も発生しています。それに距離もあるため時間もかかります。今回の選択は、初訪でも余裕を持って確実に行ってこられることを考慮してのものです。

8時半の本小屋登山口。地元での人気ぶりをおもいしる

 スタートは少し遅めの8時36分。天気は快晴。山に登らず何をするというような日和です。登山口にはすでに宮城ナンバーの車が数台停まっており、地元の岳人おなじみの山であることがうかがえます。この陽気に誘い出されて登りに来たのでしょう。荒井もビジターセンターに登山届を提出し、登山口に車を置いたら登山開始です*1

沢を渡る。序盤は渡渉で気を遣った

 表コースの前半は、二口沢支流の小行沢に沿って山に分け入っていきます。あたりは杉林。道跡はそれなりに明瞭で立派な標柱もところどころにあり、ほうぼうの岩や木にペンキで目印こそ付けられてはいるものの、ややもすると迷いそうな雰囲気で油断ができません。
 特に沢の出合は道が判りづらくて気を遣います。いちどきなど踏み跡に従って沢に挟まれた尾根を登りかけたらその先で道が消え、ここじゃねぇと引き返すなんてこともありました(おい)。「24山」のペンキ表記のところから沢を左へ左へ向かうのが、山頂への道です。

立石沢から立石へ。このあたりが表コースの中間地点。

 道を間違えてないかと不安になりつつ、目印を見つけてはこれでよいと安心しながら立石沢の広場を通過し、数度目の渡渉を経てダラダラと登ることしばらく、10時少し前に五合目に到着です。

稜線をひた登る。鼻こすりを抜ければ山頂はもうすぐだ。

 ここからは山頂へ至る稜線の上をひたすら登っていきます。あたりは広葉樹の森です。勾配もそれほどきつくはありません。木々の間からは去年登った三方倉山や仙台方面の街並みがなんとなく覗けます。ところどころに設置してある標識で現在地は一目瞭然。ここまで来ればもう道迷いの心配はありません。こぶし平を抜け、最後の急登・鼻こすりを登りきり、灌木の茂みに囲まれた平場をしばらく進めば、待望の山頂です。



東岳山頂にて。北の船形連峰がよく見えた

 山頂は北に開けた小さな広場です。標高は約1366.5m。広場には山頂であることを示す標柱と周囲の山並みを記した御影石製の表示板が設置されているほか、小さな祠が建っています。そして祠の前には忘れてならない一等三角点。大東岳は一等三角点の山でもあります。こちらを見てくることもお目当てでした*2
 山頂からは北の眺めがよいです。仙台市内方面こそくもりがちですっきり見えなかったものの、泉ヶ岳から御所山*3を経て甑岳に至る船形連峰の稜線と、遠く栗駒山がはっきりと望めました。

二口山塊展望所とそこからの眺め。
あの時ここを見上げた場所はこう見えたのか。

 さらに展望を求め、少しだけ裏コースに分け入ります。山頂から15分ほど歩くと小さな広場があって、案の定、そこから西に山形方面の大展望が広がっていたのです。
 眼下に横たわるのは南面白山と猿鼻山小東岳、山王岳、糸岳といった二口の山々です。あの時荒井を悩ませた石橋峠の笹藪もしっかり見えました(おい)。南に目をやれば仙台・山形両神室雁戸山蔵王へと山並みが続いています。
 かつてあれら山々から遠目に眺めたババロアの上から、今やこうしてそれら山々を眺めています。見覚えのある山並みを望んでいると、とうとうたどりついたのだ、とこみ上げるものがありました。

展望所近くにて。そろそろ紅葉も見頃になるんだろうな。

 大東岳は意外に眺めのいい場所がありません。ところが数少ない展望地からは、あまりに素晴らしい眺望が得られます。この好天のおかげで二口山塊と奥羽山脈はもちろん、山形盆地やその向こうの月山葉山・朝日に飯豊連峰、さらには鳥海山までもが見渡せます。おまけに山頂付近の木々はぼちぼち色づいて、ここでも気の早い紅葉を少し楽しむことができました。絶景を眺めつつカップ麺の昼食にした後、おやつも食べてから(おい)、それ以上裏コースに下りるという無理はせず、予定どおりに来た道を引き返すことにしました。


 展望所を発つと急に雲がかかってきました。山頂に戻る頃には曇ってきて、さっきまでくっきり見えていた船形連峰も栗駒山もすっかりガスの向こうです。さいわい登山道はガスることもなく、危なげなく五合目まで下り、道を見失わないよう注意しながらさらに下りた末、15時過ぎに無事下山。もくろみどおり少し余裕を持って戻ってこられました。

山頂に引き返してくる。山の天気は変わりやすいんだな。

 大東岳は中級者以上向けとされています。歩いてみると納得でした。比較的簡単であろう表コースでも、道迷いの危険はそこかしこに潜んでいます。特に序盤の沢を遡るあたりは道が判りづらく、何となく歩いていると迷います。山頂付近の道は少々藪っぽく、そう頻繁に整備されているわけでもなさそうです。もっとも、この至れり尽くせりでないところが二口山塊の良さでもあるのですが。
 ガイドでは七合目から八合目の間に東清水なる水場があると紹介されていますが、そこに至るまでの道は笹藪に埋もれており、容易には近づけない状態でした*4。水は表コースの4合目付近までは沢水が利用できるので、こちらの方がアテにできるかもしれません。

序盤に現れる「24山」のペンキ文字。
道の判りづらいこのあたりが最大の難所だったぜ

 今回、念願の二口山塊の盟主にようやく立ったわけですが、それでも二口山塊をすっかり知ったという実感は一切ありません。裏コースも気になりますし、裏磐司や北石橋はまだ見ていません。それに未踏の登山道もあちこちに残っているので、そちらの方も気になります。磐司磐三郎にはまだ遠いですな。





 最後にいつものコースタイムです。


8:36/登山口-8:54/一合目-8:54/24山-9:22/立石沢-9:36/立石-9:58/五合目-10:05/鹿打林道分岐点-10:15/1027m標高点-10:29/こぶし平-10:35/東清水分岐-10:46/沼の平(八合目)-10:55/鼻こすり標柱-10:57/九合目-11:12-11:20/山頂-11:33-12:30/二口山塊見晴台-12:44/山頂-12:55/鼻こすり入り口-13:02/鼻こすり標柱-13:10/沼の平-13:18/東清水分岐-13:29/こぶし平-13:40/1027m標高点-13:50/鹿打林道分岐点-13:55/五合目-14:20/立石-14:31/立石沢-14:53/24山-14:56/一合目-15:10/登山口

余裕があったので山寺で焰藏さんに寄る。
下山後の甘い物はたまりませんな。

*1:提出後、登山口にも登山届ポストがあるのに気づきました。ビジターセンターまで行く必要なかったじゃないか…

*2:点の記によれば三角点の名前は「大東山(おおあずまやま)」。古くはそう呼ばれていただろうことをうかがわせます。

*3:「船形山」より「御所山」と呼びたいのは山形県民ゆえ

*4:いちおう探してみましたが荒井は到達するのを断念しました(泣)。分岐から高度を下げないよう斜面を進むとたどり着けるようです。

ガイア三部作はゲーマーの義務

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 現在、熱心な愛好家の方を中心に、キャラデザの藤原カムイさんや音楽の小林美代子さんたちを巻き込んで、「天地創造」の復刻嘆願運動が進んでたりします。「アクトレイザー」がリメイクされたということは、他のクインテット作品にも期待してよいということなのか。

「HYDE PARK II」

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 山登りの話と思わせといて今回はMSXプログラムの話です(おい)。というわけで先日入力が終わった「HYDE PARK II」(ベーマガ'86/12)のご紹介です。


 「HYDE PARK II」はだいぶ前に紹介した「HYDE PARK」の続編です。一風変わったアクションゲームだった前作からうってかわって、今作は面クリア型のパズルゲームとなっています。主人公は前作同様ジムの格好。ただし「前作をクリアして大金持ちになったがそのかわり心が汚れてしまった」という設定で、色が黒くなってます。そういや「ハイドライドII」にもFORTHなんてあったな。
 さておき、きれいな心を取り戻すべく、神様のお告げに従い不思議な世界の最深部を目指すというのが今作の目的です。


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 各面の目的は、ジムを操りゴールにたどりつくこと。ただしフィールド上に配置されたブロックが行く手を阻みます。ブロックをうまいこと押して動かして道を作ればいいんだろ、というパズルだったらそれこそ掃いて捨てるほどあります。本作もブロックをうまいこと動かすパズルではあるのですが、動かし方が他とは違います。
 本作のブロックは押せません。ただし接触するとマイキャラと同軸方向に引っ張られます。つまり接触したブロックが自分に付いてきます。ですので不用意に動くと、付いてきたブロックに道をふさがれるとか、あらぬブロックを動かしてしまってハマります。

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適当に動いた結果ブロックに囲まれる。
こうなったらリトライしかない(泣)

 適切にブロックを動かすには、ブロックへの近づき方と離れ方を適切に考えなければなりません。任意に押して動かすのではなく、接触すると勝手に付いてくる、という発想の転換が見事で、凡百のパズルゲームとは異なる新鮮さと遊び心地をおぼえます。
 各ステージはすぐ解ける面もあればひとしきり頭を使わされる面もありと遊び応えは十分。全21面とボリュームも適度です。マップこそ前作より狭くなったものの、パズルゲームならこの広さが正解でしょう。操作性と速度も良好。ゲームは小綺麗にまとまっており、前作とは方向こそ異なれど、かなり出来が良くなりました。あと黒くなったおかげでマイキャラが見やすいです(おい)。

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ラウンドクリア。浄化されたのか色が白くなる

 面クリア型のパズルゲームゆえ、各面には制限時間があります。緊張感があるのでゲームとしてはこれもよいのですが、パズルに集中したい向きは、タイムと残機の減少処理を潰す無敵化改造がオススメです。ゲームにはもとからリトライ機能が付いているので、ハマったときも安心です*1
 ついでにパズルゲームだからまぁよいんですが、オールクリアで明かされるオチがわりと安直でした(おい)。

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無敵化改造方法。これでエンディングを見てやろう(おい)

*1:コンティニューできる裏技もあります。ただし条件が「ボーナスキャラを取った上で時間切れでゲームオーバーになる」という厳しいものなので、こちらはあまりアテにはできません

実はここも一等三角点の山だ

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 というわけで大東岳に登ってきました。朝6時半に家を出て午後6時前に家に帰ってきてくたびれたので今日のネタはこのへんでおわります。例によって詳細は後日(おい)。