何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

熊野山に登ってきた

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館地区から見る熊野山の図

GR III。PhotoShop Elementsで縮小


 というわけでこないだ熊野山に登ってきました。熊野山は長井市は平野地区にある里山です。というか三淵渓谷観光でお世話になった野川まなび館の真ん前。まったく里の近くです。なんでも山の上から見る散居集落の眺めがいいということを最近知り、だったら暑くなる前に登ってこようぜとあいなった次第です。
 散居集落とは古くからの農村地帯に見られる集落の形態です。田んぼの広がる中に屋敷と付属の防風林がぽつぽつと島のように散らばっている様は、田舎の原風景とでもいった趣があり、西置賜を代表する景観の一つとなっています。

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登山口の流木地蔵様。道中の無事を拝んでおこう

 さておき、今回は遅めの11時に登山開始。野川まなび館を出てすぐのところが登山口ですので、取り付きの良さは抜群です。車はまなび館に置かせてもらいましょう(おい)。登山口には板碑や石のお地蔵さんなどが建ち並び、信仰の山であることを語っています。しばらく茂みを抜ければ道照寺平のスキー場に出ます。急斜面を巻くようにスキー場の隅の方を登り切ると、本格的な登山道に入ります。


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 スキー場の先からはほぼ尾根道です。道はよく整備されている上、案内標識も充実しています。急坂はありませんがダラダラとした登りが長く続く上、低山ゆえの暑さにおもいのほか体力を削られました(泣)。

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休憩地からの展望。長井の新庁舎がでかいのは鉄道の駅併設だから。

 点在する展望所からは、ふもとの街並みがうかがえます。展望所はチェックポイントにもなっていて、次の展望所まで何分、といった具合にコースタイムの目安までわかります。


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 登山口から1時間ほど登ると、山名の由来となった熊野神社に到着です。平野地区の氏神様で、よその村から嫁いできた新妻さんは、まず姑さんといっしょにここにお参りして親睦を深めあったのだとか。社殿の前にしつらえられたウッドデッキからは、平野をはじめとする長井市内の様子がよく見えます。町中にばかでかい建物があるなとおもったら、最近落成した新長井市庁舎でした。

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第一展望所と長井ダムの展望。祝瓶山そのうち登れるだろうか

 神社の先にも登山道は続いています。途中に二つある展望所からは、長井の街並みに代わって長井ダムが間近にうかがえます。天気のせいですっきりとはいきませんでしたが、その奥には尖った山容が特徴の祝瓶山もかろうじて浮かんで見えました。
 祝瓶山は「東北のマッターホルン」とも称されます。むしろキダ・タロー式にマッターホルンこそがスイスの祝瓶山なのでしょう(おい)。

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山頂とその風景。かろうじて眺山は見えました。

 神社から20分ほどで山頂です。標高は約669.5m。山頂は「無名山」と称されていますが、埋設された三等三角点には「二之澤」の名があります。
 山頂からは噂どおり、ふもと飯豊町の散居集落が広がっているのが見えます。なるほど、田んぼの中に屋敷と防風林がぽつぽつと離れ小島のように散らばっている風景は、観光パンフレットやウェブサイトで見たままです(おい)。
 山頂からはさらに南陽や米沢、その奥の奥羽山脈も見えるのだそうですが、あいにくの天気ですっかり霞み、そこまでは見通せませんでした。晩秋あたりの天気がいい時にまた登りに行くのもいいかもしれません。
 いちおう地形図にも道は載っていますが、詳しいガイドマップもありまして、そちらも大いに参考になります。ガイドマップは野川まなび館に置いてありましたので、登りに行くならぜひこれをもらっておきましょう。


 いつものごとくコースタイムは次のとおりです。全行程におよんで手の届くところにウルシが生えてましたのでご用心を。


11:10/野川まなび館-11:14/登山口- 11:24/道照寺平コミセン-11:39/スキー場トップ-11:44/藤白神社跡分岐-11:54/四等三角点「サギ沢」-12:01/牛戻り-12:03/休憩地-12:11-12:17/熊野神社-12:21/第一展望地-12:31/第二展望地-12:37-12:55/無名山山頂・第三展望地-12:57/第二展望地-13:06-13:40/第一展望地(昼休憩)-13:45-13:53/熊野神社-13:57/休憩地-14:01/四等三角点「サギ沢」-14:06/藤白神社跡分岐-14:10/スキー場トップ-14:18/道照寺平コミセン-14:26/登山口-14:30/野川まなび館

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昼餉。ラーメン金子さん考案のGReeeeN tea noodles具無し版(おい)。
緑茶でサッポロ一番塩らーめん煮ただけだがけっこううまいよ