何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「DYNAMITE RACE」

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 動作確認が終わったプログラムはもう一本あります。というわけで本日紹介するのは「DYNAMITE RACE」。やはりMファン89年3月号掲載です。


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 固定画面のレーシングゲームは、自作プログラムではときどき見かけるものでした。作る側にしてみれば画面スクロールを考慮しなくてよい分、組みやすいとか高速化が期待できるといった利点がありますが、遊ぶ側にしてみれば、どれも似たようなもので面白みに欠けるという問題点があります。画面もチマチマして、ぱっと見のインパクトも乏しかったりするもので。


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 この「DYNAMITE RACE」も、一見は自機を操りコースを走り回りって好タイムを目指すという、そうしたありがちな固定画面レースゲームです。ありがちなもんだったから、当時全く目に留めなかったほど(おい)。しかし動かしてみますとこのゲーム、ただの固定画面レーシングゲームではありませんでした。それというのも自機の操作方法が他とはかなり違うのです。


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 「ダイナマイト」と銘打つように、本作の自機は「爆弾」で動かします。プレイヤーは自機を中心に任意の方向・威力で爆弾を炸裂させることができます。爆発させるとその反発力で自機が動くので、これを巧く利用して自機をゴールまで運んでねという寸法です。
 自機は爆発の反対方向に、爆発のパワーに応じた速度で吹っ飛びます。パワーが強いほど速く走れますが、その分炸裂に長い溜め時間を要するとともに、壁にもぶつかりやすくなるため、やりすぎると操車しづらくなります。衝突するとタイムロスの上その場からリスタート。好タイムを出すためには、高速に動きつつ、かつクラッシュしないよう、こまめに爆発を制御してやる必要があるわけです。
 ...まぁ、勢い余ってぶつかったとしても、溜めてドカーンというアクションは単純に爽快ですよな(おい)。


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 コースは全部で20。それぞれに参考タイムが設定されてあり、それを破ればベストレコードとして新たな記録に更新されます。通しプレイも可能な一方、面セレクト機能にギブアップ機能、リトライ機能も完備なので、好きな面だけをおもう存分やり倒せる親切設計。さらにコースタイムはディスクに書き出し可能と至れり尽くせり。操作にクセのあるゲームは操作に慣れるまでが一仕事ですが、そこに至るまでのストレスをなるべく低く抑える配慮が随所に見られます。
 爆発の反発力で動くというアイディアのユニークさに加え、下手なら下手なりに、上手なら上手なりに楽しめるのが素晴らしいところです。