入力し終わったプログラムが溜まったのでぼちぼちご紹介。今回は「15パズル」です。
15パズルというのは皆さんご存じでしょう。4x4のグリッド内でバラバラになった15枚のパネルをスライドさせて動かし、元の位置に収めていくというものです。
ゲームプログラムでも定番中の定番で、さまざまなものを見かけますが、こちらはアスキーのMSX叢書「ポケットバンク」シリーズの一冊「グラフィックスマル秘伝」に収録されたものです。
一番の特徴はスクリーン3を使っていることです。スクリーン3は解像度が粗い分、高速な画面表示ができるという利点があります。解説では「パネルをスプライトで描画するとカラフルにできない。スクリーン2のLINE&PAINTでは遊べる速さが得られない。そこでスクリーン3のパターンネームテーブルを書き換えることでパネルの移動を実現している」と、スクリーン3を採用した理由が述べられています。件の「マル秘伝」はMSXのVDPの使い方を紹介する本のようなのですが、その一例という性格もあったことでしょう。
内容は至ってオーソドックスな15パズル。その思惑どおり、本作はカラフルで大きなパネルがすいすい動きまして、見た目と操作性はバッチリです。問題作成時に解けるかどうかの判定もやっているところも、ぬかりありません。
変わっているのは、エディットモードがあるところ。自分で描いた絵をパネルにして遊べます。ただしエディット機能は飽くまで簡易的なもので、凝った絵を描くのは一苦労。それとプログラムに問題があるのか、セーブ&ロードがうまくできないことがあり、あまり実用的ではありません。
スクリーン3を使ったゲームでは、MSX黎明期の名作「イリーガス」が有名です。その描画速度の速さに注目してのことなのでしょうが、以降、市販ソフトではスクリーン3のゲームはあまり見かけなくなりました。やはりクセが強くて扱いづらいことと、「多色刷り」の方がはるかに手軽で見栄えのするグラフィックが描けたためとおもわれます。