何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

葉山に登ってきた6回目

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帰り道に見た葉山。山のあたりだけ一日中くもってた

GR III。PhotoShop Elementsで縮小


 というわけで先日葉山に登ってきました。前に登ったのが2年前。久々に山頂の一等三角点が見たくなったのと、そろそろ紅葉も見頃だろうかと登りに行った次第です。
 今回登ったのは山の内コース。眺望と歩きごたえを考慮してのことです。できれば未踏のシャムコースから登りたかったのですが、今年はとりつき道路の土砂崩れのため、通行止めとなっています(泣)

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まさかの通行止め。こんなの聞いてないぞ!

 登山口は村山市の山の内地区、おんどりそばのところから山の内林道を走っていった先にあります。ところがこの山の内林道も、登山口のだいぶ手前で車両通行止めとなっていました。「やまがた山」に通行止め情報なんて載ってなかったぞ!(おい)
 登山口までの林道歩きが加わるとなると、その分所要時間が増え、下山時刻に影響してしまいます。山登りで下山時刻が遅れるのはなかなか危険です。とりあえず暗くなる前までに下山できる地点まで登って、そこで引き返してこようという腹づもりで通行止め地点に車を置き、登山口目指して歩き始めました。

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滝見台の様子。このあたりは晴れてるんだ

 30分ほどの林道歩きで登山口に到着。当然ながら車は一台も駐まってません。登山口の標柱はだいぶ傷んでしまってますが、さいわい登山道は明瞭でした。乙女の渓谷を渡り、山の内コース名物の急登にとりつき、どんどんと登っていきます。そしてひたすら登ったところで難所烏帽子岩に到着。ロープをつかみながら稜線に上がりました。
 この時点で時刻を確かめたところ、予定タイムを大幅に切っており、林道往復分を十分取り返せることが判明。山頂を目指すことにしました。

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稜線に上がる。ガスったりくもったり藪ったり。

 ところが紅葉には今少し早かったばかりか、期待の展望もいまいち。ふもとの方こそそれなりに晴れていたものの、稜線上はところどころガスってたり雲がかかってたりで、紅葉もくすみがちです。さらに稜線上の登山道では、ところどころを覆い隠すように背の高い笹藪が茂っており、歩くのに体力を削られました。名所座禅岩に至る小径は完全に藪の中でした。どうやらしばらく手が入っていないようです。
 気づけば藪の朝露のおかげでズボンがすっかりビシャビシャです。はけご*1に突っ込んだ紙の地図や測量野帳も、すっかりしけってました(泣)

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奥の院からの風景。紅葉には今少し早かったらしい

 山頂到着は11時半少し前。2年ぶりの一等三角点をデジカメに収めた後、昼休憩のため奥の院に引き返します。さすがに葉山で最も展望がよい奥の院はそれなりに眺めが得られるもので、尾花沢や大蔵村方面の町並みが少しだけ見えましたが、月山も鳥海山もこの日は雲の中でした。
 カップ麺と食後のおやつを平らげたところで、さっさと下山開始です。笹藪に辟易しながらこれまで来た道を引き返し、烏帽子岩を降ります。

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帰途で御所山方面を眺める。あっちの方が天気に恵まれたようだ(泣)

 中腹に戻ってきたところで東の方を見ると、向かいに御所山が見えます。あちらの方は雲に隠れることもなく、くっきり山頂が拝めます。今日はあちらに登った方が正解だったかもなぁと、恨めしく船形連峰を眺めたのでありました。

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林道と併走する富並川。林道ってけっこう勾配あるのな

 登山口に戻り、そこから歩いて再び通行止め地点に戻ってきたのは16時頃でした。秋になると日も短くなります。往復の林道歩きが余分に加わったものの、当初予定していた下山時刻とほぼ同じ時刻に戻ってこられたのは幸いでありました。登山計画に余裕を持たせておいてよかったぜ(おい)。

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せっかくだから紅葉の様子も貼っておく

 奥の院で会った登山客のおじちゃんは、他の登山道の現況について教えてくれました。なんでも岩野コースもだいぶ藪が茂っているそうで、現在畑コース以外の葉山登山道は、荒廃が進んでいるのだとか。
 十分一峠や三本橋のコースは国道458号線の通行止めでここ数年出入り不可。山の内林道は途中通行止めではありましたが、歩いてみると、ひどい崩落があるでもなく、十分車で通れる状態でした。にもかかわらず通行止めなのは、山奥の道路で事故られると行政も何かと面倒だろうので、あえて人が入れないようにしてあるのかもしれません。
 茂る笹藪。すっかり傷んだ標柱。道がわからなくなった座禅岩などなど。「やまがた百名山」一番の推薦数を集めた山の代表的人気コースがこのありさまなのです。現在、山形の山岳界では、なかなか登山道や山小屋の手入れが行き届かないことが問題となっているのだそうです。そんな現状を目の当たりにしたおもいでありました。


 例によってコースタイムは次のとおりです。本来の所要時間の他、往復の林道歩きのため1時間ほど余計に時間がかかっています。烏帽子岩に設置されたロープは野ざらしになってだいぶ経つようで、ところどころ苔がむしているばかりか、被覆がむけて芯線が現れているところさえありました。昇降の際は要注意です。それとおんどりそばの少し先で道路工事中です。昼間は工事車両が道を塞いでますので、通過に少し時間がかかる場合があります。


7:45/通行止め地点-8:13/山の内登山口-8:20/乙女の渓流-8:44-8:50/滝見台-9:57/烏帽子岩-10:06-10:12/主稜線-10:24/古御室山-10:51/座禅岩分岐-11:25/山頂-11:47-12:25/奥の院-12:46/座禅岩分岐-13:20/古御室山-13:34/烏帽子岩-14:20-14:25/ 展望地/-14:58/滝見台-15:19/乙女の渓流-15:25/山の内登山口-16:00/通行止め地点


 最後に。帰ってからうちで道具を片付けていたら、山中でコンパスを紛失していたことに気づきました(泣)。次の休みに山形のモンベルに行って、さっそく新しいの買ったよ!(号泣)

*1:民具。山仕事用の腰に付ける籠です。