何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

与蔵峠に行ってきた久々

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与蔵沼。三角点よりこちらをゴールとすることが多いよな。

GR III。Photoshop Elementsで縮小


 こないだの日曜日、天気が良かったので眺めのいいところに行きたくなり、与蔵峠に行ってきました。
 以前はちょいちょい出入りしていた感もあるのに、気づけば最後に訪れたのが3年前、羽根沢から山元までDJEBELで通り抜けたとき。すっかりごぶさたです。今回はひさびさに与蔵沼を見てこようと、羽根沢方面からのコースを歩いてきました。

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羽根沢口付近のブナ林。与蔵沼までこんなブナの森が続きます。

 羽根沢からの道は、ほぼ全行程がブナの森です。木陰の中にいれば真夏日の気温も残暑の日射しも感じません。森の間には始終風が吹き渡り、あたりの木々をざわざわと揺らします。与蔵沼までは急な上り下りもなく、歩きやすいことこの上なし、です。

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一等三角点与蔵峠。二次増大点にして「与蔵山」と呼ばれる由縁。

 今回は途中にある一等三角点にも寄ってきました。「やまがた百名山」にて「与蔵山」と称される根拠の一つであります。一等三角点のある場所は、眺めのよい場所が多いという「法則」どおり、与蔵峠はなかなか眺望に恵まれています。ブナの森が途切れた合間からはぼちぼちと四方の山並みや風景が望め、特にこの日は西の方に日本海がくっきり見えました。

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つつじヶ丘付近から庄内方面を望む。山深い最上郡の奥地から海が見える感慨。

 与蔵峠いちばんの魅力は、海が見えることでしょう。「内陸と庄内を結ぶ古道」という地理や歴史上の位置づけとともに、「二つの異なる土地が出会う場所」という、峠の何たるかを端的に示してくれます。与蔵峠は平安時代の昔から、人々が行き交う道でした。多賀城から飽海に向かった人々も、この峰の上から眺める日本海の光景に、はるばる旅をしてきたという感を抱いたかもしれません。

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傷みきった湯の里林道。パジェロミニでなければ行けなかったぜ(泣)。

 峠道自体は歩くに全く問題のない状態ながら、そこに至るまでの林道が著しく傷んでおり、登山口までたどり着くのに難儀しました。特に湯の里林道の傷みが激しく、路面の至るところが流水で深くえぐれ、車で通るのに躊躇したくなるという有様で、登山道よりこちらの方がよほど苦戦したという(汗)。
 看板によれば現在平田側への通り抜けは出来ない模様です。「やまがた百名山」に選ばれた「山」でもあるのですから、心配なく通れる程度には補修しておいてほしいなぁとおもいます。

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鳥海山と新庄盆地。与蔵峠の眺めはもっと知られていい。

 例によってコースタイムを記しときます。今回はところどころで眺望を楽しみながらの急がない道中でしたので、ゆっくりめです。


10:20/羽根沢入り口-10:26/徒渉地点-10:33/ブナの巨木の道標-10:40/新庄盆地展望地-11:00/一等三角点分岐-11:01/一等三角点-11:20/74号鉄塔-11:29/つつじヶ丘-11:45/みはらし台-12:03/大芦沢コース合流地点-12:07/与蔵沼-12:30/与蔵沼発-12:33/大芦沢コース合流地点-12:44/みはらし台-12:55/つつじヶ丘-13:37/新庄盆地展望地-13:58/ブナの巨木の道標-14:04/徒渉地点-14:10/羽根沢入り口

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もちろん羽根沢の共同湯にも入ってきたぜ。