何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

置賜に桜を見に行ってきた




昨日は置賜に桜を見に行ってました。
西置賜には樹齢数百年を超える桜の古木がいくつもありまして、
近年は「桜回廊」こと、桜の名所としてその名を広めつつあります。
この時期荒井が置賜に桜を見に行くのは毎年の恒例行事で、
今年も見に行ったというわけです。






家を出るときは雨模様だったのですが、置賜に着く頃には薄曇りになっていました。
まずは去年食べ損ねたせいさいまんとごさいまんを食べようと、
長井の草岡の大明神桜を見に行きます。
せいさいまんとごさいまんいうのは、地元の鯉屋のおばちゃんが考案した手作り蒸し饅頭です。
中に青菜炒めが入っているのがせいさいまんで、わらびが入っているのがごさいまん。
おばちゃん曰くごさいまんは「ひき肉とたけのこの二菜に
『山菜』のわらびが入っているから、2+3で5さいまん」というのだそうです。
去年まで、せいさいまんはここ草岡の桜茶屋でしか食べられなかったのですが、
桜回廊の新しい名物として注目されたらしく、今年は他の桜茶屋でも売り出してました。
もともと桜回廊のもてなしは、地元の母ちゃんたちが、
花見客に手作りの青菜漬を振る舞ったことに始まります。


その隣では、地元のハム屋さんが「黒獅子フランク」なる焼きソーセージを売ってました。
他のソーセージとどう違うのと尋ねてみたら、イカスミを練り込んでいるとのこと。
名前は長井の伝統芸能黒獅子踊りにちなんでいるようです。
見た目はイロモノっぽいですが、けっこういけました。





あいにくの天気でしたが、花見ツアーのバスも多数乗り付け、人出はそれなりに多いです。
駐車場の車を見れば、山形や福島、宮城といった近県はもちろん、
栃木や水戸といった関東のナンバーを付けた車も目立ち、
中には奈良から来たという車までありました。
ここ数年、この時期には毎年のように西置賜を訪れていますが、
桜回廊は年々その知名度を高めており、観光客の増加を受け、
地元でも受け容れ体制を整えてきています。
駐車場や手洗い場を整えるのはもちろん、花見茶屋なども年々数が増え立派になりました。
地元の母ちゃん達が細々ともてなしていた頃を知る荒井としては、
どんなに立派になっても、青菜漬の頃の気持ちを忘れずにいて欲しいと思いますし、
見る側もお邪魔して見せてもらうという気持ちを忘れたくないと思いました。






冬の天気、樹勢等々の要因で、桜の花の付き方というのは毎年違ってきます。
全体的に今年は花が少ないようでしたが、その中でも伊佐沢の久保桜は元気に花を付けていました。
ここ数年の樹勢回復処置の甲斐あって、再び活力を取り戻してきたようです。
将来を見据え、現在は新しい幹を再生させる処置の最中で、
うまくいけば十年後には新しい幹が根付くのだとか。
桜回廊のエドヒガンは、いずれも樹齢数百年を超える老木で、
将来に受け継ぐための努力が欠かせません。






今年はあまり見ていない桜も見てみようと、山際の十二の桜に足を伸ばします。
その名前は薬師堂を守る十二体の神像があったことに由来するのですが、
時代が下って件の薬師堂はよそへ移動し、跡に残った桜がその名を継いでいるというわけです。
ここの桜茶屋ではそば粉を練って作ったかいもちが食べられます。
このかいもちが絶品で、来年もまた喰いに行こうと思いました。





鮎貝郵便局の近く、白鷹高等専修学校のすぐわきには、
子持堂の桜なる古木がひっそりと立っています。
その名については、子供の守り地蔵にまつわる伝説が残っていますが、
木があるのはかつての鮎貝城の一角でして、実際のところは
城の守りを託した「籠守」に由来しているのでしょう。
かつての城郭だけに、桜の周囲からは鮎貝の町並みがよく見渡せました。





荒砥のスーパーマーケットを覗いてみますと、
カナダドライの「サクラミスト」が安売りされてまして、
見た目のアヤしさと花見のオチということで購入してしまいます。
「サクラ」とはいっても、よく考えれば「さくらんぼ」も桜の仲間です。
昔飲んだチェリースカッシュみたいな味でした。