GR III。PhotoShop Elementsで縮小
気づけば今年はまだ神室連峰に出入りしてません。山形で山歩きをしていると、天気が期待できるとか、花の時期に間に合いそうだとか、毎年なにかしらどこかに登る理由ができて、ふらりと登る機会があったりするのですが、なぜか今年はまだどこにも登ってませんでした。
そこでこれではいかんと奮起して、晴れが期待できる十月の終わりの日、神室山に登ってきました(おい)。杢蔵山でも火打岳でも小又山でもよかったのですが、せっかくだから久々に神室連峰の主峰に登ってみたくなったというのが主な理由です。前に登ったのが2015年。かれこれ8年ぶりです。
今回も前回同様、有屋口からの往復コース。神室ダムの奥から登っていきます。
この日の新庄盆地は朝から濃霧が立ちこめていました。山の方はどうだろうと視界を案じつつ登山口に向かいましたが、心配は無用でした。このへんまで来ると霧は切れ、木々の合間からすっきりした青空が覗いていました。まぶしい朝日に照らされて輝く森の中を歩くのは、至って愉快な気分です。
前半は金山川上流沿いの渓谷歩きです。基本起伏のない道が続くものの、足の置き場に気を遣います。ところどころ急峻なところがあったり、足元が悪かったりと、意外に苦戦しました。かくて二股に到着したのが1時間20分後。8年前はもっと楽に歩けたような気がするんですが、荒井も歳を食ったようです(泣)。ここからは有屋コース名物、高低差700mの急登で稜線めがけて登っていきます。
急登と言っても、有屋コースのはそうえげつないものではありません。壁のような急坂を両手両足を使ってよじ登るような場所はなく、細かいつづら折りを何度も繰り返しながら、次第に高度を上げていくというかんじです。道は明瞭でわかりやすいですし、足元は厚く積もった落ち葉のじゅうたんですので、脚にもやさしいです。ただし長いので飽きやすい(おい)。見頃を迎えた森の紅葉や、登るほど開けてくる展望、間近に迫ってくる避難小屋や神室連峰の山並みが、長い登りの励みとなりました。
春日神を拝み、そこからもうひとがんばりすれば稜線です。
稜線まで登れば、一気に展望が開けます。北の方には秋田側のふもとである役内の集落と、奥羽山脈の山並みが望めます。ひときわ目立つのは虎毛山と先日登った栗駒山。虎毛山のてっぺんに建つ山小屋はばっちり目視できますし、もう少し早ければここから栗駒山の「神の絨毯」も望めたかもしれません。
山形側の展望はそこそこ。鳥海山や月山は雲まみれで、すっきりとその姿を見せてくれません。そのかわり朝からの濃霧が、雲海を成していました。新庄方面は見渡す限り一面見事に雲の海。街並みや田園の風景はすっかり雲の底です。この日は雲が多めながら、前回よりも眺めには恵まれたようです。
その後痩せ尾根を渡り、8年ぶりに山頂に到着。すかさず直下の避難小屋で昼休憩にした後、下山開始。来た道を引き返し、日が暮れる前に無事登山口へと戻ってきました。
前回登ってから、神室連峰の他の山々には何度か出入りを繰り返しました。その後でふたたび神室山に登ってみると、堂々とした山だなぁという印象を強くしました。神室山は道中のそこかしこに懐の深さと奥ゆかしさというか、貫禄があります。最高峰を小又山に譲るにもかかわらず、この山域が「神室連峰」と呼ばれるのは、やはりこの山の風格ゆえ。さすが神室連峰の盟主であると感じ入ったのでありました。
例によっていつものコースタイム。前回より時間がかかったのは、別に急いでなかったからだと言い訳しときます(号泣)。
8:02/駐車場-8:07/林道終点-8:22-8:26/登山口-9:22/二股-10:05/五合目-10:36-10:44/春日神-11:06/八幡神-11:19/レリーフピーク-11:22/西ノ又口分岐-11:38-11:47/山頂-11:52-12:35/神室山避難小屋-12:40-12:48/山頂-13:00/西ノ又口分岐-13:04/レリーフピーク-13:11/八幡神-13:27/春日神-13:53/五合目-14:34/二股-15:23/登山口-15:41/林道終点-15:48/駐車場