GR IIIで撮影。Photoshop Elementsで縮小
山形でも急に疫病がはやってきたので、こんなときは人気のない場所で遊ぼうと、先日、また八向山に登ってきました。前回登ったのが、山形で初の患者が見つかった日。ほぼ一年ぶりの再訪です。今回は未踏の山頂を目指して登ってきたのでありました。
八向山については以前説明したので略(おい)。永らく山頂への道が整備されておらず、従来は八向楯到達をもって登頂のかわりとされ、事実荒井も去年は八向楯まで行ってきたのでありました。ところがその後登山道が整備され、容易に山頂まで行けるようになったので、ならばと再び向かった次第です。
どこにも雪がなかった去年とはうって変わって、今年はのっけから残雪が行く手を阻みます。昨冬は記録的な小雪で、対してこの冬はここ数年一の大雪でした。残雪で車では八幡神社から先に進めず、駐車場にも入れないという有様です。登山道の方も厚く雪が溶け残り、しかも歩くたびにぬかったり踏み抜いたりと、歩きづらいといったらありゃしない(泣)。去年道中至る所にあったカタクリはほぼ見かけず、ショウジョウバカマもまだそれほど咲いてはいません。
視点場のあたりで一息入れていると、下の方の沢で小さな雪崩が起きてました。やはり里の低山といえども気は抜けません。
山頂への道は、楯との分岐を反対側に進みます。しかし程なく現れるブナ林が油断なりませんでした。この一帯はまだ雪に覆われ、道も隠れてしまっています。あたりの地形は変化のない平場で、一目ではどこを歩けばいいのかわかりません(おい)。
それでもこの時期に登りに来た人が付けた足跡や、道が顔を覗かせているところをたどってこわごわ先へ進みますと、再びはっきりとした道跡が現れ、ほっとしたのでありました。
ここまで来ればもう残雪はありません。新しくできたという登山道は明瞭で、倒木などがふさいでいる箇所もなく、快適に歩ける楽しい区間が続きます。ただし左手は即断崖です。崖っぷちをきわどく通るような箇所が続出するので、滑落には要注意です。
かくして小さな上り下りを何度か繰り返し、ロープ場で最後の急登を登り切ると、待望の山頂に到着です。
「やまがた百名山」には「ヤブと木立で展望なし」と記されていますが、山頂は意外に眺めが得られました。南東方面には葉山がくまなくその姿を見せています。おそらく「やまがた百名山」指定を受け、登山道とともに山頂周辺の木も何本か切り倒したのでしょう。
早春の葉が茂り出す前の時期ですから、木立の合間からは遠方の様子が透かして見えます。葉山の隣には月山が、北に目を転ずれば、山を挟んで反対側にある升形川と併走する県道が、その奥には戸沢村の名高方面が望めました。
最上川越しに国道から八向楯を眺めている限り、その向こうにこんな光景が広がっていることなど、なかなか頭が及びません。なるほど、確かにここも山でした。
今回は楯には寄らず来た道をそのまま引き返します。驚いたのは、去年登山口付近にあれほど積もっていた流木やゴミがすっかりきれいに片付けられていたことでした。登山道を整備したりゴミ片付け等々、これだけ歩けるようにするためにはよほどの尽力があったことでしょう。
ついでにポンプ小屋も取り壊されたようで、全くその姿を消していました。いい目印だったんですけど(おい)。
コースタイムは以下のとおりです。
10:28/八幡神社-10:37/古道入り口-11:00/視点場-11:04/三叉路-11:10/ブナ林残雪地帯-11:20/残雪地帯通過-11:25/ロープ場-11:30/山頂-12:20/休憩終了-12:23/ロープ場-12:30/ブナ林残雪地帯-12:41/三叉路-12:44/視点場-13:01/古道入り口-13:10/八幡神社