熊を使ったカレーを食べる機会に恵まれました。
ちょくちょく食べに行ってるお店の方が「知人から熊の骨を一頭分もらった。それで出汁を取ったカレーを出すからどうぞ。」というので、気になって食べに行ってみたという次第です。
ガラは出汁に。少しだけくっついてた肉はこそげ取って具に。ももんじいの肉というだけで、ケモノ臭いんでないかとか、どぎついんでないかとか想像してましたが、実際に食べてみたらそんなことは一切ありませんでした*1。よく煮込まれた肉はホロホロで、噛むほど旨みが広がるよう。スープも厭みがなく、澄んだ上品ささえ感じます。出汁を取っていると、甘いいい香りがしたんだとか。
それで腑に落ちました。人類が遙か昔から熊を狩ってきたのは、シンプルに「旨いから」なんだ、と。
すてきに旨かったのですが、やはり飼い慣らされた家畜の肉とも感じが違います。食べた後には身体の中で「獣王記」の3面みたいなイメージがふつふつと(おい)。帰りに単車を転がしている最中、果樹園の鳥避け爆音機の「パン!」という音を間近に聞いたときなど、「撃たれた!殺られる!」と冷や汗をかきました。普段そんなことはおもいもしないのに、少し熊の魂でも荒井の中に移ったのか(おい)。
食べる前の「いただきます」とは、生き物の命を頂くという意味だと言われることがあります。「命を頂く」とは、こういうことなのかもしれませんな。
*1:熊肉は下処理次第で味が大きく替わるそうです