何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

出川さんも見てきたアレです

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 というわけで先日庄内に行ってきたのですが*1、せっかくだからと特別拝観中の羽黒山五重塔を見てきました。
 明治150年・平成30年記念企画として国宝の五重塔の中を公開するというもので、なんでも明治維新以来初の一般拝観なんだとか。その期間が11月4日までだったので、この機会を逃したら次は何百年後になるか分からんぞということで、見てくることにしたのでありました。


 拝観受付は五重塔の脇にこしらえられたプレハブ小屋で、そこで拝観料を払うと山伏さんがお祓いしてくれるという月山神社方式です。中に入れるのはご神体が安置されている1階部分のみ。基本的にご神体を安置するための仏塔なので中は狭いですが、黒塗りの立派な柱や格子彫りの施された天井などを見ると、それなりに造作には気を遣っているようでした。
 目に付いたのは、長押に残る無数の釘穴の痕です。おそらくかつては千社札などが打ち付けられてあったのでしょう。また「明治三十一年」と記された落書きもあったりして、「御維新後初」という触れ込みではありますが、もしかすると、それなりに人が出入りすることなどあったのかもしれないなとおもったのでありました。


 仮設の階段を上ると、2階以降の見学ができます。見学といっても中に入れるのではなく、取り外した壁の一部から頭だけ差し入れて中を覗けますよというものです。
 「木の白くなったところは風化してますから触らないように」と係の人が釘を刺すように、近づいて見ると建物はおもった以上にボロいです。これも豪雪地帯に建つゆえ、星霜によるダメージは相当なものがあるのでしょう。
 外観の壮麗さとは裏腹に、2階以上の内部はボロボロでスカスカでした(おい)。豪雪に備えた軽量化のためかもしれませんし、老朽化に対して補修を繰り返した結果なのかもしれません。
 羽黒山五重塔は、建立以来何度も補修を繰り返したり、屋根の葺き替えをしています。特別拝観ではそれに関する史料も少しだけ展示されています。かつては戦国大名最上義光も大規模な補修をしたのだとか。ありがたいというよりも、国宝の維持は、なにかとたいへんだなという印象を強く受けたのでありました。

*1:主な目的は琴壱さんの塩中華。旨かったぜ。