またプログラムを打ち終わったのでご紹介。
今回はポプコム88年5月号掲載のMSX用アクションゲーム「怪盗リュパン」です。
主人公は天下の怪盗リュパン。ライバルの探偵ホームズを捲きつつ、
街を駆け回って宝石を奪い、貧しい人々に施してまわるというもの。
重ね合わせスプライトや多色刷り等々、きれいなグラフィックが目を惹きます。
ゲームはモンキー・パンチでなく、モーリス・ルブランに
着想を得ているものと思われますが、その割に「LUPIN」の綴りを
思い切り間違えてしまってます(おい)*1。
さておき、ゲーム内容は昔ながらの追いかけアクション。
プレイヤーはリュパンを操り、宝石商こと緑屋根の建物に押し入り
宝石を奪い、それを町中にいる貧民に与えていきます。
宝石は一度地面に置いた後、貧民に押しつければ施すことができます。
このあたりにちょっとだけ「倉庫番」とかのパズルゲーム要素もありますな。
ただし街には宿敵ホームズが徘徊しており、これに捕まれば1ミスです。
また、ホームズが宝石と重なると回収されたということになりまして、
その宝石は施すことができなくなります。
こうして施すなりホームズに拾わせる等して、全ての宝石を捌けばステージクリア。
全5面でエンディングとなります。
本作で面白いのは「カルマ」パラメータがあること。
リュパンには「GOOD」「BAD」こと善悪が設定されてまして、
一個宝石を奪うごとに「BAD」が増え、施せば「GOOD」が増えます。
BADがGOODを越えてもゲームオーバー。
順当に貧者に施していれば、BADが上回ることはないのですが、
ホームズに宝石を取られるとGOODが増やせないため、
なるべく奪われないようにする必要があります。
ただし面によっては施すのが難しい貧者も居るため、
うまくホームズの隙をついて宝石を与えるか、
あるいはGOODが上がらないことを承知でホームズに拾わせ、
手軽にクリアするかといった駆け引き要素もあります。
この手のカルマパラメータは多くの場合、消化しきれていなかったりするのですが
本作はなかなかうまく料理していると思います。
プログラムはオールBASICでマルチステートメントもあまり使わず、
非常に見やすく打ちやすいのですが、それゆえに問題もちらほらと。
オールBASICのためかキー反応は遅めで操作性は悪いです。
紙一重でひらりとホームズをかわして逃げ回るといったことができず、
プレイ中やきもきすることは何度となく。
ホームズの移動パターンは単調で、各面やることがあまり変わりません。
操作性を上げて、もうちょっとホームズの動きに凝っていれば、
攻防がもっとスリリングで面白くなったと思います。
グラフィックに凝っているせいか、初期設定に時間がかかるのも少し気になるところ。
もっとも、本作の楽しさにグラフィックや、リュパンが風船に捕まって脱出する
クリアデモは必要不可欠なので、このあたりは善し悪しですかね。
*1:ついでに「HOLMES」の綴りも間違えてます。