何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「SOUZAN」改造中




 ここのところ、以前入力したポプコム掲載作品「SOUZAN」(86/2)を改造してます。
 この「SOUZAN」、「ハイドライド」風のARPGなんですが、いろいろとヒドすぎるシロモノで、だったら自分でどうにかできないかと、改造をおもいたちました。

グラフィックが違うだけでも印象はだいぶ変わります

 とりあえずやったことは、グラフィックの総入れ替え。マップ展開処理の作り直し。敵キャラ関連処理の一本化。
 なんとオリジナルのプログラムは「配列変数」というものを使っていません。効果的に配列変数を使えば一つで済む処理を、配列なしで組んだおかげで同じ処理をいくつも用意することになるなど、リストが無駄に長くなってしまってます。
 マップ展開処理も、画面を切り替えるごとにいちいちRESTORE文で参照するデータを指定し、マップデータを読みに行くという仕様です。これでは遅い上、目に余るほど書き方に無駄が多すぎるということで、別の方式に変えました。荒井が考案したのは、マップデータを文字型二次元配列変数に格納し、画面が切り替わるごとに配列変数を参照して、地形を書き出すという方式。これならオリジナルよりもはるかにスマートな実装が可能です。

オリジナルのマップデータと参照処理(一部)。Dr.Dが激怒して暴れ出す水準(おい)

 グラフィックは自分好みに書き換えました。オリジナルを最初に見たときの第一印象が「画面が汚い」(おい)。「ハイドライド」を意識しているのに、グラフィックもいろいろと残念で、「ハイドライド」のポップさがありません。そこで「ハイドライド」を参考にして、自家製スプライトツールで新規にデザインし直しました。ついでにステータスバーの上限表示がカッコ悪いので、これも変えてやりました。
 「ゲームの面白さにグラフィックは無関係」。あれはウソです。同じ内容なら見た目が良い方が断然面白く感じるに決まってます。ですのでグラフィックは丁寧に描かなければなりません。

グラフィックはだいぶきれいになったぞと自画自賛しときます(おい)

 かくしていろいろとリストを見直した結果、オリジナルから容量で6Kバイト、行数にして200行ほどの圧縮に成功。処理やデータの配置も見直し、読みやすさも向上しました。ついでに字面のカッコよさと読みの確実さと、オリジナルから相当に変わっているということを意識して、タイトルの綴りも「THOUZAN」にしてやりました。
 改良するためには、問題点を明確にしなければなりません。ただ「つまらない」「出来が悪い」と思うだけでは駄目です。どうしてつまらないのか、どこがどのように出来が悪いのか、をはっきりさせることで、ならばどこをどう直すかという、改善策が打てるようになるのです。

ラスボス・サウザン。実はフィールドローパーの方が強い(おい)

 改造にあたりリストを見直したところ、とにかく無駄が多いなぁと感じました。目に付いたのは、無駄な変数の存在です。定義はしているのに、リストでは一度も使われていない変数がいくつかありますし、背景キャラクター検出用のユーザー関数も、有効に使えていません*1ARPGとして最小限の体裁を整えたところで力尽き、それ以上の推敲をしなかったのでないか、という気がします。


 本作はどうひいき目に見ても、内容的にもプログラムの書法的にも、掲載の水準を満たしていません。ログインは言うに及ばず、ベーマガやテクポリなら間違いなくボツです。もしや原稿が落ちた等の理由で突如ページを埋める必要が出てきて、誌面の穴埋めのため、やむを得ず突っ込むことになったのが、この「SOUZAN」だったのかもしれません(おい)。
 憶測はさておき、ポプコム掲載プログラムは、傑作はとことん傑作なのですが、時に目を覆いたくなるような不出来な作品が載ってしまうこともしばしばでした。

宝箱は順番に出現する。解き方がわかればデフォの設定でもクリア可能。

 ところで。本作は回復できる回数が限られています。「まともに」遊ぶと回復が追いつかずクリアできません。しかし解析の結果、デフォの設定でもクリアできることが判明しました。
 実は経験値稼ぎは序盤に2つ3つ上げるくらいで十分です。あとは宝箱を拾うだけでクリアに必要なレベルに達します。最初にスライムで2つばかりレベルを上げたら、後は宝箱で成長させ、その途中、弱めの敵で1つレベルを上げましょう。その間、必要以上に敵と接触するのは避けましょう。これなら最初に支給される700パルスだけでも回復が追いつきます。それとフィールドローパーと戦ってはいけません。レベルが7~8くらいまで上がり、鍵を手に入れたら、ノーダメージの状態でラスボスの間に向かいましょう。これでサウザンに勝てます。


 改造は一段落しましたが、今後はより戦闘が面白くなるようにアイテムの効果やダメージ計算を見直すなど、ゲームバランスの部分に手を付けようかとおもってます。

*1:これも手直しして汎用できるようにしてやった