何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

ヴァーは自分で叫ぶこと

荒井の日参blog「TAPE-LOAD」の管理人、
M_tさんが目の手術から戻ってきた記念ということで目ん玉にちなんだゲームを。





今回紹介する「アフターリミッツ」は、
MSX・FAN1989年12月号掲載のMSX2専用1画面プログラムで、
自機ドットバイパーを操り、画面内を跳ね回る巨大ボス
「アフターリミッツ」と戦おうというゲームです。
まぁ、ご覧のとおり「沙羅曼蛇」のゼロスフォース戦のパロディですな。
オリジナルのアーケード版では台座が弱点でしたが、
MSX版「アウターリミッツ」仕様ですので、本体のコアが弱点となってます。


本作の自機は1ドットの「点」で描かれます。
自機を1ドットの点にすれば、グラフィックデータが節約できるのはもちろん、
処理速度の向上や、ゲームフィールドを相対的に広くできるといった利点がありまして、
少しでもコードは短く、中身は濃くしたい1画面プログラムではよく見られた手法でした。
特にMファンのグラディウスパロディ系作品に登場する1ドットの自機は、
親しみを込めて「ドットバイパー」と呼ばれています。


ドットバイパーのもう一つの特徴として、ヨッパライゲームの要領で動くというのがあります*1
つまり自機の上昇下降はスペースキーのオンオフで操作するのですが、
この操作の「もどかしさ」が独自要素となっており、本作を面白くしています。
これがカーソル上下で上昇下降というあたりまえの操作系だったら、
単なる「タイニー版沙羅曼蛇クローン」です。
この変わった操作方法が、打ち込みゲームならではのデフォルメになっており、
ゲームとしてはもちろん、パロディとしての質をより高めていることも見逃せません。


技術的には、ボスを背景レイヤーに描き、一部を切りだしピープホール表示させることで
大きなキャラが動いているように見せるという、ファミコン等でよく見かけた技法を使ってます。
ですから1画面でこういう芸当が可能となっているのですが、
むしろ1画面でアウターリミッツ戦のおいしいところを再現しようとした作品と言えるでしょう。
巨大ボスやプロミネンス、とぐろを巻く竜、多関節キャラ等々、
グラディウスシリーズのおいしいところを打ち込みプログラムで!」という作品は、
当時結構見かけたものでした。

*1:むしろドットバイパーシリーズがヨッパライゲームの発展系だとも言える。