何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

笊耳

華やぐ街並み、色めく女性、はしゃぐ子供たち…。そう、12月はクリスマスシーズン。孤独な我々には、どこからともなく聞こえてくる山下達郎の曲に戦慄が走る季節です。

「クリスマスにはみんなプレゼントで浮かれるけど、
 本当に大切なものが何か気づいてる人はいるのかな?
 だからとっておきのプレゼントを、
 他の誰からももらえない 特別なものに包んで君に贈ろう。
 ―真心を抱擁とキスに包んで― それが君への贈り物。」
          〜「My Gift to You」からかなり適当に訳出


 毎年言ってるような気がしますが、だから山下達郎の「クリスマス・イブ」は、つがいの男女でなくて、一人うじうじ悩むゴボウ男の歌なのです。
 もともと過去の恋への未練と決別を歌った「クリスマス・イブ」が男女の逢瀬のBGMになってしまったのは、20年ほど前、JR東海が「クリスマスは新幹線に乗って恋人に会いに行こう!」というCMに使ったゆえ。歌詞の内容を吟味すれば「きっと君は来ない。ひとりきりのクリスマス・イブ」とか「心深く秘めた想い 叶えられそうにない」とか、とても逢瀬に使っていいような曲ではありません。結婚式のBGMにオフコースの「さよなら」を流すようなもんです。


 「クリスマス・イブ」よりアレキサンダー・オニールをカヴァーした「My Gift to You」だろ荒井でした。