何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

経ヶ蔵山に登ってきた

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延々と続く木の階段

今日は山形県内の平田町にある経ヶ蔵(きょうがくら)に登ってきました。
高さ500メートル足らずの里山ですが、山頂までの道のりは非常に急峻で、
延々と続く木の階段を、うんざりするほど登ることになりました。

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山名の由来となった経瓶

名前は山頂近くにある経瓶に由来します。
平安時代末の末法思想がはやった頃、弥勒菩薩の来臨に備えて
経文を保存しようという動きがあちこちであったみたいで、
この山でも、経を収めた瓶が安置されることとなったのだそうです
(そしてその瓶が今でも岩陰に安置されていたりする)。
ちなみに弥勒菩薩の来臨は釈迦が入滅してから56億7千万年後とか。
岩陰に据えただけの瓶が、それだけ気の遠くなるような時に耐えられるかはさておき、
救いを求める衆生の必死さみたいなものは、今でも伝わってきます。


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ブナなどが茂る広葉樹林を息切らしながら1時間ほど登り詰めると山頂です。
北には鳥海山が目の前に、西には庄内平野日本海が広がるという展望は見事なもので、
木の階段をうんざりするほど登ってきたことを忘れるほどでした。
もともとは修験道の修行の山だったようで、お経が収められたのもそれ故と思われますが、
この眺望に修験者たちは悟りの境地に通じるものを感じたのでありましょうか。


近所には十二滝という名瀑もありまして、こちらも見物となっています。

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十二滝の図