何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

自分はまだ食べたことない

 地元テレビ局・テレビユー山形制作の情報番組で、ラーメン屋ぬーぼうさんの隠しメニュー「カッシーナ」が紹介されていました。その名について「開発者の名前が由来…らしい」と、いまいち煮え切らない説明をしていたので、少し気になったのでありました。


 「カッシーナ」を考案したのは、フードコーディネイターの柏倉ひろみさんという方です。ぬーぼうの爆中華の汁なしバージョンを食べたいとリクエストして作ってもらったのが「カッシーナ」。その名は柏倉さんの愛称「カッシー」にちなんでいます*1。確か今から12年ほど前、大地震前後のこと。ひところ、フェイスブックの山形ラーメンサークルで話題になっていたかと記憶します。


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 当時柏倉さんはメディア出演も顕著でした。特にFM山形では週1回のレギュラー番組を持ってました。県内の食材を使った新しい「B級グルメ」や名物を発掘しようというもので、毎週各地の新料理を採り上げては紹介するという番組です。蔵王のからから汁やジンギスバーガー、金山のニラリズムカレー、最上町のソバッフル等々。番組で採り上げたこれら料理が一堂に会するフードイベントが開催されたこともありました。
 あれから時が経って。当時紹介された「B級グルメ」も、多くが幻と化しました。提供している店がなくなったところまであります。「カッシーナ」はその数少ない生き残り。ちょっと前のことでありながら忘れ去られていることは、努めて振り返らない限り、そのまま忘却の彼方へと押しやられてしまいます。
 というわけでちょっとだけ当時のことをおぼえている荒井の昔話でした。


 荒井が好きな箴言のひとつは「新しいごちそうの発見は、人類にとって新しい天体の発見以上の価値がある」です。新しい星の名のごとく、その名が料理の一つとして残っていることは、食べ物好きにとって、名誉なことなのかもしれません。

*1:SNSで募った参加者とともに一推しのお店を食べ歩くとか、ラーメン屋さんとの特製コラボメニューを試食するといった集まりも定期的に開いてましたっけ。