何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

裏磐司に行ってきた

これが裏磐司だ

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 突然ですが裏磐司を見てきました。こないだ糸岳に登ってきたばかりなのにまた二口峠なのは今季最後の追い込みです(おい)。
 二口渓谷を代表する名勝磐司岩。実は三つあります。ひとつはいちばん有名ないわゆる磐司岩こと「表磐司」。二口沢を挟んでその南に立つ「日陰磐司」。そして今回行ってきた「裏磐司」。場所は大東岳の足下を流れる大行沢(おおなめさわ)の右岸、名前のごとく、表磐司の裏側です。ですから表磐司と日陰磐司が林道からでも見えるのに対し、裏磐司だけは見えません。見るためには現地まで歩いて行く必要があります。折しも二口峠の冬季通行止め直前で、しかも紅葉も期待できるというのなら、晩秋の山歩きを楽しみに行くのにやぶさかではありません*1

コンパクトながら迫力がある駒止の滝

 裏磐司は本小屋から大東岳の裏コース登山道を約1時間半歩いたところにあります。裏コースは大行沢の谷に沿う険路です。急な登りこそありませんが、道中、足を踏み外したら谷底まで転げ落ちそうな箇所はいくつもあって気が抜けません。なるほど、死傷者も出るわけだ*2

誘い込まれた先の光景。沢屋さんが惹かれるのも解るなぁ

 さらに里山にも通じる道のわからなさがあります。白滝の分岐を過ぎたあたりは小径が錯綜していて、気をつけないとあらぬ方向に誘い込まれます。二口界隈は沢登り天国としてもその筋に知られています。おそらくは愛好家らが沢に出入りするうちできたものなのでしょう*3。ちなみにロープ場を通過するのが正しい登山道です。

雨滝。雨のごとくしとしとと水が滴り落ちる。癒やされるなぁ。

 しかしその分、沿線の風景は見事なものでした。野趣を感じさせながらどこか優美さを備えた大行沢の渓谷、それぞれに表情の異なる数々の滝、周囲を彩る紅葉。そして目の前に屹立する裏磐司の断崖。磐司岩がその裏にまだこんな光景を隠していたとは。

裏磐司の紅葉いろいろ。いい時期に来られたもんだ!

 穏やかな秋の日が差し、そよ風が枯葉を散らす中、紅葉を眺めながらの楽しい山歩きです。そして1時間半ほど歩いたところで京渕沢に到着。ここを折り返し地点に、展望台で裏磐司の景観を堪能してから、無事本小屋に戻ってきたのでありました。荒井の足で往復2時間半ほどの行程です。

本小屋への帰り道。
落ち葉が映えるところはたいがいぬかる(おい)。

 去年ろくに往来できなかった分、今年は隙あらば二口の山々に出入りしました。おかげで大東岳に白糸の滝コース、裏磐司と、永年気になっていたところに行ってくることができました。
 今年も二口峠はまもなく冬季通行止めを迎えます。来年もまたいろいろこの山域で遊んでやりたいものです。あとできれば今年あと一回ぐらいは通り抜けしたい(おい)

帰り。当然コザブさんに寄る。秋フレーバーで固めてみたぜ。

*1:裏コースの下見も兼ねてるんだい

*2:ここではありませんが、先日糸岳に登りに行った日にも二口沢で滑落事故があったらしく、ヘリコプターが出動してました

*3:一度は危うく大行沢に降りてしまうところだったぜ。