何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

薬師山に登ってきた

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 久しぶりに天気が良くなったので、かねてから気になっていた薬師山に登ってきました。
 薬師山は金山町の中心部にそびえるピラミッド状の小山です。隣の中の森、そのまた隣の熊鷹森とともに、三つの小山が並ぶ様は町南の入り口上台峠からよく見えまして、金山町のシンボル的な存在です。母方の実家が金山にあるおかげで、昔から何度となく目にはしていたのですが、例によってなかなか登らず今に到ります。というか登れるということを知ったのが、齢三十にさしかかる頃だったという(おい)。


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 国道13号線で金山川を渡ってしばらく、国道344号線との分岐の少し先が登山口。庚申碑と赤い鳥居が目印です。国道からすぐに入れる位置にあるものの近くには駐車場がないため、車の置き場所で少し悩みました。鳥居付近の路側帯が広くなっていたのでそこに路駐するのが手っ取り早いと思いますが、少し段差があるため、車高の低い車では難儀するかもしれません。昔だったら郷野目ストア金山店の駐車場を使うのが手っ取り早かったんでしょうけど*1
 さておき標高は約436.8メートルで、登山口からの高低差は240メートルほどです。


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 植生の常で、登り初めは杉林の道が続きます。金山は杉材の産地として有名で、山のふもと近辺には杉の林が広がっています*2。秋を迎えた今の時期ゆえ、服にくっつく植物が道を覆うように茂りやがり*3、歩くたびにひっついてくるのが厄介です。林に入れば草はなくなるものの、急で泥が踏み固められた路面ゆえ、今度は滑りやすい区間が続きます。
 荒々しい岩肌が目の前に現れると、そこからふもとの展望が得られます。新庄との境目付近には、丘陵を登るように作られてある上台峠の国道13号線も見えました。峠から幾度となく眺めている山から、いつもとは逆に、通い慣れた国道を眺めると、新鮮な気持ちになりました。
 このあたりから、登りは後半戦にさしかかります。


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 登るほど、あたりには広葉樹が目立ってきます。足下に目をやると、落ちたばかりの青いドングリがちらほらと転がっています。とはいえ登山道の状態はあいかわらず。踏み固められた泥道は滑りやすく、ところどころ岩に足をかけて登るような箇所もあるため油断ができません*4。岩場で滑ってデジカメを強打して、LCDの調子が悪くなったのはここだけの秘密だい(号泣)


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 山頂までは30分ほどの登りでした。山頂付近は広場になっていて、一服するにはうってつけ。片隅には山の名前の由来となった薬師堂があります。ここで湯を沸かし、フリーズドライのリゾットで簡単な昼食。草の切れたところからは、金山の町や田んぼの風景が眺められます。


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 この薬師山、国土的に重要な地点でもあります。それというのも一等三角点があるから。これを見に行くのも大きな目的でした。山頂は薬師堂のすぐ裏で、そこに一等三角点の標柱が埋められてあります。
 かつて測量の基線が新庄の萩野地区に設けられたため、新庄の界隈には一等三角点が多数存在しています。薬師山の三角点はその一つ。ここから与蔵峠や火打岳といった近隣の一等三角点にさらに線を延ばしながら、国土の広さを測るのに使われているわけです。高い低いに関係なく、知らないものごとを実際に見て確かめられるのが、荒井が山登りに惹かれる理由です。

*1:現在は別の木材屋となっているので車が置けません

*2:山肌の林がはぎ取られたようになくなっている場所がありますが、40年ほど前には、そこにも木が植わっていたような覚えがあります。伐採されたのは確か荒井が小学生だった頃。

*3:調べたらヌスビトハギでした。この手の植物の種子は「ドロボウ」と呼ばれてました。

*4:急な箇所にはトラロープが張られてます。