何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

三崎山に登ってきた

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一等三角点三崎山。三度目の正直。

 用事で鶴岡に行ってきたんですが、素晴らしく天気がよくて鳥海山がくっきりと見えました。これを好機と懸案だった三崎山に登ってきました。12月中旬ともなれば、降雪前の晴天の日はもはや貴重です。
 三崎山とは、山形と秋田の県境、鳥海山の裾野が海に落ち込む付近の一帯を指します。一般には三崎峠の公園があるあたりをそう呼ぶようですが、三崎峠は以前探索済みです。今回荒井が行ってきたのは三崎峠ではなく、鳥海山西麓にある一等三角点です。

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展望がよくてメジャーな一等三角点の山の例

 一等三角点のある山は、たいがい展望がよくてメジャーなものですが、中には例外もあります。こちらはその例外の方。整備された登山道は全くないため、地図とコンパスとネットの情報を頼りに、自分で探すことになります。実は荒井もこれまで二度ほど探しに行っているのですが、盛大な藪に阻まれ、見つけられずに退散しています。初冬の今にみたび赴いたのは、藪が引けるのを待っていたのでありました。

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入り口の目印・無線中継所。

 目指す三角点は、県境を越えた秋田県の小砂川から国道7号線をくぐり羽越線を越え、山中に若干分け入ったところにあります。踏切付近は、近所の採石場に出入りする大型ダンプがひっきりなしに出入りしているので、邪魔にならないよう注意です。送電線のところからガレ気味の林道を500mばかり進むと、無線基地が二つ並んだ場所に着きます。ここが一等三角点・三崎山の入り口です。

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踏み込むのを躊躇するような道の入り口

 無線基地の間からは、南に向かって道が延びています。地形図や点の記によれば、この道の入り口から100mほどの距離なのですが、この道が藪っぽくて、見通しが悪いばかりか歩きづらいったらありゃしない。さらに茨もけっこうあって、油断するとすぐ引っかかります。今の時期なら多少マシかとおもいきや、全然引けてなかったぜ(泣)。

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尾根筋が始まるところ。よく見ると目印のテープが貼られてある

 地図と地形とコンパスとにらめっこしつつ、ああでもない、こうでもないと山中をさまようこと半時間ばかり。入り口から数十メートル分け入ったところから西に延びる尾根筋があることに気づき、登ってみると、尾根の向きがコンパスの方向と一致します。周囲の木には色テープ。これはとおもいそのまま尾根を辿ってみると、果たして、待望の一等三角点が現れました。念願の三崎山到達です。


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 三角点の傍らには、コンクリート製の円柱が立っています。飯森山と飛島でも見た、経緯度観測点です。これら経緯度観測点は、かつて大陸移動説の実証のため、寺田寅彦の提唱で設置されたのだとか。
 一等三角点のある地点は、無線基地南西の小ピークです。周囲は雑木林ですっきりというわけにはいきませんが、冬枯れの木々の間から、ふもと小砂川の集落や日本海、入り口の無線塔が眺められます。振り返れば鳥海山がどっしりと座っています。山頂までくっきりと望め、新山は雪をかぶってすっかり真っ白です。大洞山同様、木立がなければ相当に眺めが良く、一等三角点や観測点を設けるのに悪くない立地です。


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 帰りは吹浦の大物忌神社にお参りしてきました。大物忌神社は鳥海山を祀る神社です。鳥海での山遊びのお礼参りをするならここしかありません。
 振り返れば今年もいろいろな山に登れました。一等三角点の山も10座を数えます。まもなく里には雪が積もります。おそらくこれが今年最後の山行でしょう。これでもう今年やりのこしたという悔いはありませんが、そんなこといいながら年内にまたどこか近場の山に行ってそうな気もします(おい)

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ちなみに庄内に行った主な目的は琴のさんの味噌中華です(おい)