何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

旅の攻略本

その昔、荒井がまだ日本一周に憧れて、せっせとお金を貯めていた頃。
面白そうな場所、行ってみたい場所の情報を仕入れたり、野宿旅のやり方を学ぼうと、
ジパングツーリング」や「ツーリングGoGo!」といった
単車旅雑誌を購読していたことがありました。
しかし実際旅に出て、ひととおり日本を廻った後でそうした雑誌を手に取ると、
急に興がそがれるような気がして、購読を止めてしまいました。


どこかの随筆家は「一寸のことにもガイドは欲しいもんだ。」と言ってましたが、
旅行ガイドというものは「攻略本」なのだと思います。
ゲームの攻略本は、効率的な攻略を可能としてくれますが、
その一方で、実際のプレイを情報確認作業に陥れる危険をはらんでいます。
場所はもちろん、みどころ、名物、営業時間、訪問時の注意等々、
旅行ガイドには知っていれば効率的に廻れる知識が、
手っ取り早くわかる体裁で詰め込まれていますが、
一方で詳しく知りすぎると、行き当たりばったりの楽しさというか、
自ら発見する喜びや感動が失われてしまうのです。


どうやら日本一周の旅で、荒井は何から何まで予定どおりに進む旅よりも、
自力で捜し出す旅の方が面白いと思うようになってしまったようです。
現在古道歩きや峠巡りに精を出し、旧い書籍を漁ったりするのはまさにこういうことです。
しかしその自分の書いた文章も、ある意味「攻略本」になってしまっているわけですが。