何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

哀愁の古賀メロディ

というわけで、笹谷から刈田峠に向かう途中、青根温泉で念願の古賀政男「影を慕いて」記念碑を見てきました。
古賀政男と青根温泉の関係は、日本一周したとき某所で教えていただいたのですが、
その後青根温泉に古賀政男の記念碑があることがわかり、以来、どんなものか見てみたいと思っていたわけです。


昭和の初め、世界恐慌のまっただ中、古賀政男は、未来の展望もなく、失意のうちに明治大学を卒業します。
そして死のうとでも思ったのか、みちのく裏蔵王の青根温泉を訪れたのでした。
ところが裏蔵王の山中をさまよううち、おのれの憂さが慰められていくのを感じ、
この地で「影を慕いて」という曲をものにします*1
この「影を慕いて」が認められたことをきっかけに、古賀政男は昭和の大作曲家となっていくのですが、
そういうわけで、発祥の地である青根温泉には、それを記念する石碑が建っているわけです。


石碑は青根温泉の温泉街からはちょっと離れた、静かな庭園風の公園の中に建っていました*2
記念碑と詞碑の二基が並んで建ってまして、詞碑に至っては、目の前に立つと、
自動で「影を慕いて」のメロディが流れるというステキ仕様です。
石碑は昭和55年に建てられたもので、プレイヤー部分が逝かれてそうな気もするんですが、
手が入れられているのか、ばっちり「♪まぼろしの〜*3」と流れてきました。
記念碑の方も、おそらくは同じくらい年を経ているはずなのですが、非常にきれいなもので、
今でもこまめに人の手が入っているようです。


古賀政男は荒井の大好きな作曲家の一人で、それだけに今回念願の石碑が見られて喜んでいるのですが、
肝心の青根温泉の方は入りそびれました。
...「山形探訪」だというのに、宮城県の話じゃん。

*1:ちなみに青根温泉は神経衰弱やノイローゼに効能があるそうな。

*2:古賀政男がさまよっていたという山中がここらしい。

*3:メロディのみ