先日気が向いて、ホットビィのMSX用STG「カレイドスコープスペシャル ア・ナ・ザ」をさわりだけプレイしてみました。ゲーム自体はわりとお気に入りなのではありますが…今やると敵の動きが適当くさいのが気になります(おい)。
「グラディウス2」は言うに及ばず、「スーパーレイドック」といった同期の他のSTGと比べると、どうも不自然だというか、実感がないというか、ただ動かしているだけ感が強いというか、なにかこう、動きが軽くて安っぽいのです。まぁ、今さら35年前のMSX用STGにいちゃもん付けてもという気はしますが。
キャラクターの挙動、というのは地味なようでいて、実は見栄えや完成度を相当に左右する要素という感があります。35年前でも、動きがてきとうなゲームは、それだけで色あせて見えたものでした。
Mファン91年1月号の1行プログラムから
90年あたりからMSX・FAN誌が1行プログラムの募集に力を入れていたことは、当ブログでも何度か触れています。というわけで本日は同誌91年1月号に掲載された1行ゲームプログラムを4本紹介いたします。
1本目「アーチェリー」。ワンキー的当てゲームです。実行すると画面右中央付近に同心円状の的が表示されます。反対側には上から矢*1が下りてくるので、的を狙って放ちましょう。スペースキーを押すと右にまっすぐ飛んできます。中心に近いほど高得点です。5回射て合計点数を競います。
矢は自動で下りてきます。正確な目測とタイミングを計るのが命中させるコツ。単純明快でテンポも良く、なかなか夢中になれます。
文字数や処理の都合上、5回のトライを終えるとプログラムも終了し、最終成績が表示されません。その対策としてF1キーに得点を表示する命令を定義し、これで最終得点が確認できるようにしているのはなかなかの工夫です。
2本目「CATCHMAN」は昔ながらのスクロールゲームです。画面下のバーを操作して、上から降ってくる「!」を拾いましょう。出現する「!」は全部で201個。どれだけ拾えるかを競います。「!」を取得するとその場にスコアが表示されるのが、往年のアーケードゲーム風ですな。パターン生成に疑似乱数を使っているため、「!」の出現する位置は毎回同じです。より効率的な拾い方をパターン化するのが、高得点への道です。
この手のスクロールゲームは、1行プログラムでも定番中の定番です。本作はエスケープシーケンスを使うことで、上から下へのスクロール表示を実現しています。
3本目「JUMPBALL2」は以前紹介した「JUMPBALL」のバリエーションです。前作はパドルを操りボールをリフティングするゲームでした。本作もボールをリフティングすることに変わりはないものの、ルールが変わっています。
パドルの位置は固定です。そのかわり色が切り替えられるようになりました。ボールも色を変えながら跳ねています。ボールの色に合わせてパドルの色を切り替えましょう。同じ色ならボールが跳ね返ります。違っていたら受けきれずゲームオーバーとなります。こうして色を切り替えつつ、何度リフティングできるかを競います。
相手に応じた色の切り替えが重要という点で、後年の「斑鳩」に通じるものがあると言えないこともありません(おい)。なのにスピードが速すぎて荒井はさっぱりリフティングできませんでした。「斑鳩」はクリアしたのに!コンティニューしまくって!!(泣)
4本目「ハンティング」は変わった対戦ゲームです。一見かの「DOWN DOWN」のようなスクロールゲームです。1人が操るのは自機、もう1人が操るのはコースそのものです。自機を操る側はひたすらコースを進んでいきましょう。コースを操る側は走りづらいコースを生成して相手を邪魔しましょう。つまり攻撃側と防御側に分かれるわけですな。攻防を入れ替えながら何度かプレイして、よりスコアの高い方が勝ちとなります。
例によって対戦ゲームはろくに動作確認ができないのでルールの説明にとどめておきますが、他の対戦ゲーム同様、スクリーンショットを撮るのに苦労しました(泣)。
*1:ドットなので矢に見えないけどなw
たぶん阪神電鉄に名称使用料は入っていない
www.yamagata-np.jp
例によってお題と記事は関係なく、津々浦々から猛者が集まる全国大会程度の意味で「甲子園」という単語を使うのは、安直に過ぎるのでいい加減やめにしようじゃないか(おい)
ダッフィーの耳でも可
dailyportalz.jp
USJの前でかぶって違和感ありありなもの。ミッキーの耳しかないだろとおもったらすでにはてブで言及されてた(おい)。
「OUT-VADER」
タイトーの「スペースインベーダー」は、コンピューターゲーム古典中の古典です。その後様々なフォロワーやアレンジ版が登場したことが、その存在の大きさを物語っています。本日ご紹介するMファン91年1月号掲載「OUT-VADER」(アウトベーダー)も、そんなインベーダーフォロワーと言ってよいのかもしれませんが…数あるインベーダー風ゲームとはかなり趣を異にしています。
本作では湯気が立ち上るがごとく、下から上に向けてふらふらと敵が昇っていきます。自機である砲台「おデコ」を動かし、こいつらを下からことごとく追撃してやりましょう。おデコの武器は「モロトモミサイル」。炸裂すると巨大な爆風が発生し、巻き込まれた敵はひとたまりもなくやられます。しかしこの爆風は諸刃の剣で、おデコ砲台が巻き込まると、自分もやられてしまいます。1匹でも敵を逃せばゲームオーバー。それまでに倒した数が得点です。当然敵と衝突してもアウトです。
通常、インベーダーゲームは上から敵が攻めてきます。それとはあべこべに、下から上に逃げていく敵を撃つようにしたのがまずは大きく違います。あべこべだから「イン」ベーダーではなく「アウト」ベーダーというシャレですな*1。
そして何より秀逸なのは全てをぶっ飛ばすモロトモミサイル。打ち上げ花火のように派手に爆発する様はインパクト抜群で、類似のゲームとの大きな違いになっているばかりか、爽快感やおもしろさがいや増しになっています。
実は当たり判定があるのは爆風のみで、ミサイル自体にはありません。スペースキーを押すと発射して、離した瞬間に炸裂します。つまり任意に起爆のタイミングを図れます。というか起爆しない限り攻撃できません。
基本、敵は低い位置で撃墜した方が狙いやすい一方、そうすると自機に近い位置で炸裂させることになり、自分が巻き込まれてやられる可能性が上がるとか、逆に上の方で炸裂すると安全に攻撃できるものの取り逃す可能性が上がってしまうというジレンマになっているところもニクいです。
少々欲を言えば、ボーナス要素がないことが残念です。せっかく一網打尽の攻撃ができるのだから、同時に複数の敵を倒すと得点が倍になるとか、逃げる寸前に撃墜すると高得点とか、そういった稼ぎを熱くするフィーチャーがあれば、もっと面白くなったのでは、とおもいます。
ところでこのモロトモミサイル、似たものをどこかで見たようなおぼえがあるなぁとおもったら、「アレスタ2」のグラブボンバーでした(おい)*2。
「JIG・PUZZ」
連日のMSXプログラムネタ。本日はMファン91年1月号より「JIG・PUZZ」、有り体に言ってジグソーパズルのゲームです。ジグソーなのにピースが正方形じゃないかとはツッコまないように(おい)。ちなみにMSX2以降用。
本作で遊ぶにはまず、絵を自分で用意しなければなりません。プログラムにはそのための簡易描画機能が備わっています。しかし機能は本当に申し訳程度のもの。操作性も悪く、お世辞にも使いやすいとは言えません*1。できるのはドットを置くことと、置くドットの色と大きさを選ぶことのみ。まともな絵を描くには心許ないので、それなりの絵で遊びたいのなら、別のツールを利用する方がはるかに実用的です*2。
…というわけで、別のツールを利用してそれなりの絵を用意しました。これでようやくまともに遊べるようになったので、内容の説明です。
バラバラのピースを並べ、絵を完成させましょう。画面右にバラバラになったピース、左上に完成図が表示されています。画面右からピースを拾い、左下のフィールドに並べます。右上には経過時間が表示されています。制限時間はありませんが、短い時間で完成できたら自分で自分を褒めてやりましょう(おい)。
1枚の絵は10x10の100ピースで構成されます。一般的なジグソーパズルに比べて少なめですが、ぱっと遊ぶにはちょうどよいボリュームです。もっとも、同じようなピースが多くなる絵柄は苦戦します。そのかわり正しい位置にしか置けない仕様なので、総当たり式で置ける場所を探していけば、いずれ完成できるようになっています。時間がかかっても必ず完成できるのはよいですな。
ゲームは必要最低限の作り込みにとどまっており、全体的に作りが粗いです。至れり尽くせりではないかわり、その分リストは短めです。
作者さんによれば、自分で好きな絵を描いて遊べるパズルゲーム、というのが本作の趣旨のようです。しかし「グラフサウルス」等のツールや、他機種で描いたCGをMSX上で*3展開できるローダー等がまだ十分に普及していなかった当時、好きな絵を加工して遊ぶのは、微妙にハードルが高いことでした。
Mファン後期の名物コーナーとなった、ほほ梅麿さんの「勝ち抜きCGコンテスト」が始まったのが、ちょうどこの作品が掲載された号でした*4。本作はまさにMSX2以降のハードでCGが一般化しつつある頃に登場した作品と言えますが、本格的なCGを扱うにはプログラムが貧弱だった上、時期尚早だったという感もあります。
その後93/94年12-1月号に、同様のパズルゲーム「洋食専門店Puzzu」が掲載されています。こちらは機能や操作性、CGファイルの扱いやすさもはるかに向上しており、よりCGが身近になった時代の作品、という印象があります。
最後に他のグラフィックツールで「JIG・PUZZ」用の画像を作る方法を紹介しときます。
画像はスクリーン5用に描画します。絵の大きさは100x100ドット。これを画面の(10,10)の位置に配置しましょう。言い換えれば左と上に10ドットの余白が必要です。スクリーン5の解像度は256x212ドットですが、(10,10)の位置より100x100ドットの範囲に表示されてあるものがパズルとして使用されます。
使用できる色はMSX2の256色中16色。パレットを使う場合は、BSAVE命令のSオプションを使いVRAMのパレットテーブルごと記録しておくと楽です。具体的にはBSAVE"[ファイル名]",&H0000,&H77FF,Sでセーブしとけば大丈夫でしょう(おい)*5。読み込むときはプログラムのBLOAD命令の直後にCOLOR=RESTOREを追加しとくことをお忘れなく。
「100M競争」
本日もMSXネタ。Mファン91年1月号より「100M競争」です。
「ハイパーオリンピック」式の徒競走ゲームです。参加選手は全4人。そのうち1人は常にコンピューターの担当で、人間は3人まで参加可能です。始まったらキーを連打してゴールを目指しましょう。誰かが100mを走りきりゴールした時点で終了。優勝選手のタイムが表示されます。最大3人の同時プレイが可能ながら、1人で遊んでもかまいません。
この手の連打式競争ゲームには、とにかく早く連打しろ、というものが多いものです。ところが本作ではやみくもに連打すると足が止まってしまい、かえって時間のロスとなります。むしろトントントン…とタイミングよくキーを押した方がスピードが出ます。
忘れてならないのはBGMです。プレイ中にはおなじみ「天国と地獄」が流れます。ゲームを盛り上げるのはもちろん、連打のタイミングを計る目安にもなっているのが見事です。
本作にはトップアスリートによるガチの競技というよりも、運動会のような雰囲気が漂います。このちょうどよい「ゆるさ」が、取っつきの良さや楽しさといった美点となっています。