何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「らっか!」




 というわけで本日はMSXプログラムネタ。ベーマガ92年10月号より、先日入力が完了した「らっか!」です。
 80年代前半のホビーパソコン草創期、パラシュートゲームはよく見かけるものでした。飛行機から飛び降りて、落下ポイントにぴったり着地しようというゲームです。そのわかりやすい内容ゆえか、初期の自作ゲームプログラムコーナーで見る機会が多かった気がします。本作はそのクラシカルなパラシュートゲームです(おい)。
 ルールは至ってかんたん。作者さん曰く「ただ飛行機からとびおりて、下の基地に着地するだけ。」。そのとおり、パラシュート兵になって飛行機から飛び降り、下の基地に着陸を決めましょう。空中には雲や砲弾が飛び交っています。降下中、これら障害物にぶつかるとワンミス。空挺に失敗しても無論ミス。残機がなくなったらゲームオーバーです。
 プレイヤーにできるのは、飛行機から踏み出すタイミングを決めることと、若干の左右移動のみ。左右移動だけでも障害物はだいぶかわせますが、それだけで対処しきれない局面も多いです。ですので、障害物の位置を読みつつ踏み切るタイミングを計ることが、何気なく非常に重要です。無事着陸を決めればスコア獲得の上次の面へ。カンストを目指しましょう。





 作品は「チェッカーフラグ」で言及されているとおりに「シンプルそのもの」。ゲームは単純明快。それなりに夢中になれます。リストもよくまとまっており、まさに模範的なベーマガプログラムです。
 しかしシンプルすぎて、他にこれといった特徴がありません。「よくある」パラシュートゲームであることも確かで、飽きは早いです。何か稼ぎがアツくなるような要素や、障害物を破壊できるようなルールでもあれば、多少は飽きずに遊べたかもしれません。
 また、明快ではあっても、この内容で全115行というリストは長いと言わざるを得ません。Mファンだったら1画面で実現している内容です。





 本作は、良くも悪しくもシンプルさが身上の作品です。いろいろ手を加えたらもっと面白くなるかもしれませんが、これはこれでよくまとまっているので、下手に手を加えて台無しにするのもどうかという気がします。シンプルさは美点でもあり、欠点でもあると言えましょう。