何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

不忘山に登ってきたふたたび

ガスる不忘山。今回は花がお目当てです

GR III。PhotoShop Elementsで縮小


 「6月の不忘山は花の宝庫」という噂を聞きつけ、というわけでこないだ、再び南蔵王の不忘山に登ってきました。
 去年登ったのは7月の下旬。そのときは不忘の碑を見に行くのが目的でした。花は眼中にありません(おい)。その後おさらいするうち、山が数々の高山植物の名所としても評判であることを知り、だったら季節のいいときにまた行こうぜと登ってきた次第です。

なんにも咲いていない芝草平。それでも気の早いチングルマといくつか出会えました

 登山口は蔵王エコーラインの県境付近、有料道路蔵王ハイライン入口のすぐ前。今回はかろうじて登山口そばに駐車することができました。リフト乗り場駐車場と往復せずに済んだぜ。

屏風岳にて。もちろん一等三角点は拝んできた

 登山道は相変わらず非常によく整備されています。ときおりガスがかかる曇り模様であっても、迷う心配はありません。刈田峠*1を通過し、前山と杉ヶ峰を難なく通過。チングルマ*2が見られるかと期待した芝草平は、まだほとんど咲いていないという有様でした。時期にはまだ早かったようです。屏風岳で一等三角点を拝んだら南屏風岳へ。不忘山はここからが本番です。

ハクサンイチゲ・ユキワリコザクラ・ミヤマキンバイ
不忘山は噂通りの花の宝庫だ

 前回面食らったえげつない急勾配の際どい痩せ尾根にさしかかると、目を見張りました。よりによって山の最も険しい区間を選んだかのように登山道のあちこちに、花々がこれでもかと咲き乱れているのです*3。いちばん目立つのは白いハクサンイチゲ。ところどころにちりばめられた黄色い花はミヤマキンバイ、紫色の可憐な花がまとまって咲くユキワリコザクラ。これが世に聞く「お花畑」というやつか。そこかしこに咲き誇る花々を愛でつつ歩けば、険しいところもあっという間。気づけば見覚えのある岩だらけの山頂に着いていました。

不忘の碑方面の図。展望は次の課題だな。

 曇り模様の天気ゆえ、眺めはそれほど得られません。にもかかわらず、山頂は登山客でいっぱいでした。やはり今の時期、花を目当てにやってくる方が多いのでしょう。不忘山は蔵王でも相当に人気の山のようです。
 山頂でお湯を沸かし、持参したカップ麺をすすっていると、いつの間にやらガスが広がってきて、すっかりふもとを隠してしまいました。さっきまで見えていた不忘の碑もガスの中です。今回はそこまでは行かず、ここで引き返すことにします。

道中で見かけた花いろいろ。蔵王の花はコマクサだけではなかった(おい)

 目をこらせば、あたりは他にも様々な花に恵まれているようです。特に南屏風岳から屏風岳に至る稜線がシャクナゲの密生地だったことに、今さら初めて気づきました(おい)。他にも終いのミネザクラシラネアオイミツバオウレンミネズオウ、ミヤマスミレ、イワカガミ、ショウジョウバカマといった花を見ることができました*4。これでも一帯の植物のごく一部。野草図鑑が欲しくなりました(おい)
 花を見るなら、曇りの日はなかなか悪くありません。むしろ晴天よりも光が柔らかく陰影が強く表れないので、写真に収めるときなどはむしろ好条件となります。雪はあらかた解け、登山道の上に残っている場所はありませんでした。

坊平にて。こちらはツツジが満開だった。

 最後にコースタイム。ペースは前回と同じくらいですが、早めに到着できたのとすぐ登山道に入れたため、時間に余裕があります。帰りは坊平で温泉にまで入れたぜ。


8:43/登山口-8:53/刈田峠-9:11/前山-9:28/杉ヶ峰-9:48/芝草平-10:05/烏帽子岳分岐-10:21/屏風岳-10:28/水引入道分岐-10:50/南屏風岳-11:02/アイハギの峰-11:20/二番機墜落地碑-11:28-12:05/不忘山-12:25/アイハギの峰-12:38/南屏風岳-12:56/水引入道分岐-13:03/屏風岳-13:16/烏帽子岳分岐-13:25/芝草平-13:48/杉ヶ峰-14:05/前山-14:16/刈田峠-14:28/登山口

締め。YUKIHIRA COFFEEさんの三角プリン。
山登り後のほろ苦プリンとコーヒー最高だぜ

*1:ここで地図落っことした(泣)

*2:これまで綿毛しか見たことがなかったのだ。

*3:小耳に挟んだところによると、これでも今年は少ないらしい。

*4:うちに帰ってから画像をことごとくグーグルレンズに突っ込んで調べたぜ。