雪がだいぶ溶けますと、峠好きの血が騒ぎ出しまして、
今年も峠に行こうぜと、小穴峠に行ってきました。
小穴峠は上山の柏木地区と小穴地区を結ぶ道なのですが、
それよりも柏木峠のすぐ北にある峠と言った方が通りがいいでしょう。
柏木峠はその廃道ぶりで、一部マニアの間では
それなりの知名度を誇っているのですが、
それに対して小穴峠のことはあまり知られておらず、
ネット上でも紹介した記事は全く見たことがありません。
今回は柏木側から鞍部まで往復してきた後、
小穴側の峠口の様子を見てきました。
柏木側は途中まではそれなりに道がありました。
三月とはいえ春の遅い山奥ですから、峠にはまだまだ厚く雪が積もっています。
ぬかって歩きづらいものの、このおかげで難儀な薮こぎを免れているのですから、
春先の峠歩きはどっこいどっこいです。
鞍部直下に近づくと、急に道跡が不明瞭になります。
さいわい冬枯れで見通しが利きましたので、雪の斜面を強引に巻きながら
道跡を追ったところ、首尾良く鞍部にたどり着いたのでした。
鞍部の前後は喬木の森が広がっていますが、
すっかり葉っぱが落ちているので、南北の谷間や山並みがよく見えます。
今の時期しか見られない風景を眺めつつ、
葉や薮が茂ったら相当に苦戦しそうだと、夏場の様子を思いやるのでした。
小穴の峠口には、高さ3メートルはある巨大な心経塔が立っています。
このすぐ近くには不動院がありますので、
峠はこのお不動さんへの参詣路としての性格もあったのでしょう。
今回は一応鞍部こそ踏んだものの、知らなかったことや知りたいことが次々に現れ、
ますます謎が深まるような峠行となりました。
身近なところでこんな謎解きが楽しめるのも、峠行の面白さ。
今年も山形の峠を廻りに廻ってやろうと思ってます。