アクセス分析を見ると、なにかと需要が多いのでとりあえず再録。
「分割巻き上げ」(または「小刻み巻き上げ」)というのは、機械式写真機のフィルム巻き上げ方式のひとつです。
多くの機械式写真機では、一枚撮影したら(または撮影前に)一回巻き上げレバーを回して、フィルムを一齣送るのと一緒にシャッターをチャージするのですが、機種によってはレバーを端まで回さずとも、小さく何回かに分けて回しても同じように巻き上げできるものがあります。
このレバー操作を何回かに分けてフィルムを巻き上げる操作を「分割巻き上げ」と呼びます。
利点として、一回巻き上げに比べて回転角が小さくて済む分、巻き上げが迅速にできること、そのおかげでテンポよく撮影できることが挙げられます。
分割巻き上げにこだわる方の多くは、そうした利点を重視しているのですが、単に「できないよりできる機種の方がカッコイイから」ということでありがたがっている方も多い模様です。
荒井の知る限り、これができることで有名な機種は、まずはかのライカMシリーズ、キヤノンF-1とNewF-1、オリンパスOM-1、F3までのニコンFシリーズ。コンパクトですと荒井も使ってるローライ35などが挙げられます。
横走り式シャッターを採用した昔の機械式一眼レフカメラには、(全てではないが)分割巻き上げできる機種が多いです。
縦走りシャッター機は構造上実現しづらいのですが、中にはコシナのベッサシリーズやニコンEMなど、特殊な設計によって分割巻き上げ可能なものもあります。
なぜこんな事を突然書いたかというと、「分割巻き上げ」の意味がよく分からないのでネットで調べてみたところ、「分割巻き上げできるできない云々」と書いたサイトこそ多く見つかったものの、具体的にこういう操作であるということを説明したサイトがほとんどなかったから。
基本的に巻き上げは一回でも困らない荒井でした。