このエレクトロ35シリーズ、40年ほど前の大ヒット商品で、本格的に写真をやる方向けというよりはむしろ、
親御さんが子供の成長記を撮るのに使うようなファミリーカメラ、大衆機として普及した機種でありました。
大衆機とはいうものの、「ロウソク一本の灯りでも写る」開放F値1.7を誇る大口径の明るいレンズ「ヤシノンDX」*1や、
シャッターや露出計機構の電子化*2を進めることで実現した堅牢設計など、その実力は現在の高級コンパクトカメラにも匹敵します。
一方、大量に出回ったおかげで現在でも手に入れやすく、しかもやたら安いという*3、中古的には不遇の名機となっています。
エレクトロシリーズの大成功を受け、その後ヤシカはツァイス財団と組んでCONTAXブランドを復活させるのですが、
それが後に高級コンパクト、Tシリーズへとつながっていきます。
T・T2*4・T3はもちろん、Tixもエレクトロなしには生まれなかった機種ですので、感慨深いものを覚えずにいられません。