何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「星座占い」&「FUNCTION」

 MSX・FAN誌の投稿自作プログラムコーナー「ファンダム」には、ゲームの他、実用プログラムが掲載されることもありました。本日ご紹介するのはファンダム発の実用プログラム2本です(どちらも90年10月号掲載)。

「星座占い」

 1本目「星座占い」は相性占いプログラムです。相性を占いたい二人の名前と星座を入力すると、プログラムが二人の相性を計算して、結果を百分率でを表示してくれます。画面にはスクリーン7の高解像度で、結果に応じた大きさのハートマーク型グラフが描かれ、イヤでも一目で二人の相性がわかるという仕掛けです。いったい何をもって100%とする百分率なんでしょうな?(おい)

判断の根拠は文字コード。同じ意味でも表記が違えば結果も違います(おい)

 星座占いと称していますが、実は結果は黄道十二宮をまったく勘案していません(おい)。入力した文字のコードを合計し、適当な操作をして表示しているだけです。名前はもちろん星座として十二星座以外の単語を入力しても(プログラム的には)問題なく占えてしまいます。むしろ星占いより画数判断に近いんじゃないのか(おい)。

デタラメに入力。意外に高くてびっくりした(おい)

 さておき、厳密な占星術を期待してはいけませんが、てきとうな名前を入力して、談判して楽しむためのネタを提供するためのソフトとしては十分な出来です。1画面プログラムなんですから、そんな高度なものを期待しちゃいけませんよ!(おい)。

「FUNCTION」

 2本目「FUNCTION」は、1本目よりぐっと科学的。ファンクションこと関数のグラフを表示するソフトです。最初に目盛りの大きさを決定すると、それに応じた大きさで、設定された関数のグラフを描画します。実用プログラムですので、ゲームのような駆け引きは一切ありません。

プログラムを書き換えることで別のグラフもプロット可能。
サインカーブも描けます。

 デフォルトの数式はy=x^2という、シンプルな二次関数。プログラム内の関数の部分を書き換えることで、三次関数や多項式三角関数のグラフなども表示可能です。高校あたりの数学の授業でよく書かされたグラフを書いてくれるソフトですな。数学の勉強に便利そうです。
 

すでに北海道にあるらしい

kahoku.news


 山形市が9年連続で、3年平均家計調査でのラーメン支出額日本一を達成したというお話。
 例によってお題と記事はあまり関係なく、名店がひしめき合い、ラーメン文化が地域に根付いていることから、山形県はしばしば「ラーメン王国」とも称されます。しかし王国なのに統治する王様がいるわけでもないので、正しくは「ラーメン共和国」なのではないかと(おい)

「サテライト3.3」




 80年代後半には、古典的ゲームを今様に作り直すムーブメントみたいなものがあったようにおもいます。たとえば「アルカノイド」や「レイメイズ」とか「バトランティス」とか。どの作品も新しいルールやパワーアップ、ストーリーや演出などが加えられ、より進化した内容を追求していましたが、今回ご紹介するMファン90年9月号掲載作品「サテライト3.3」は、そうしたリノベーションを趣旨とする作品です。


 古典的アクションゲームのジャンルとして「ヘビゲー」というものがあります。ヘビ状の自機を操作し、餌を食べまくるというアレですな。本作は今風に作り直したヘビゲーです。
 ルールは基本ヘビゲーです。ヘビ状の自機を操作して、フィールド内のエサを食べましょう。自機は自動で前進し、左右ターンのみが可能です。頭部が障害物や敵の他、自分の体にぶつかるとアウトです。一つエサを食べると体の長さが一つ伸びます。動くときは敵の動きやカベはもちろん、自機の軌跡にも気をつけなければなりません。各面決められた数のエサを食べると右下に出口が開きます。そちらに入ればステージクリア。面が進むごとに食べるべきエサの数は増え、どんどん難しくなっていきます。全8面。オールクリアを目指しましょう。

高次面の展開。
レーザーやトラップアイテムも加わりしっちゃかめっちゃか。

 本作が「今風」なのは、なんと言っても様々な攻撃を仕掛けてくる敵キャラの存在です。敵は単純に動いているばかりではなく、面が進むごとに新たなものが増え、様々な攻撃を仕掛けてきます。レーザーを撃ったりトラップを落としたりと、敵や攻撃はいずれも趣向を凝らしたものばかり。各面それまでの敵や攻撃パターンに追加するように増えていくのがよい変化で、先の面が見たくなる楽しさがあります。

最終面。ラスボス・ハンドラとの一騎打ち。
逃げるしかできないけどなw

 ゲーム自体はなかなかよい出来ながら、難易度は非常に高いです。攻撃の激しさはもちろん、残機というものがありません。やられたら即ゲームオーバー、容赦なく1面の最初からやり直しです。先が見たくなるゲームですので、せめて面ごとのコンティニュー機能くらいは付けて欲しかったとおもいます。荒井はエミュレーターのステートセーブ機能を使ってクリアしてやりました(泣)。
 メインプログラムはほぼマシン語です*1。極めて快速に動作する一方、作りが最小限のため、雰囲気が素っ気なくなった感は否めません。テンポがいいと言えばいいのですが、もう少しくらい外観や細部に凝っても良かったのでないかという気もします。

エンディング。いちおうメッセージが表示されます。

 本作は以前紹介した撃ち合い対戦ゲーム「サテライトI」の作者さんの作です。グラフィックやレーザーなど、内容に相通じるものがあります。題名から察するに、続編的な位置づけとおもわれます。

*1:似た文字が並ぶためエラー箇所が特定しづらく、デバグに手こずりました(泣)

登竜門だったから

gigazine.net

その後業界で活躍するゲーム制作者のアマチュア時代の作品いろいろ

 投稿プログラムの打ち込み趣味を続けていると、その後業界で活躍することになる開発者が制作したプログラムはわりと見かけるので、行方不明になっていたとかニュースになるような事件という認識がなかったりしまして(おい)

「ステラアサルト」と「パラスコード」はもっと知られていい

sega.jp


 メガドライブミニ2が発売されるというお話。
 個人的には今やなかなか遊びづらい32X専用ソフトを全て収録した「スーパー32Xミニ」が欲しいです(おい)。

「賭け」

静止画では伝わらないスムーズなコップ移動アニメーション(おい)

 本日もMSXプログラムネタ。Mファン90年9月号より「賭け」です。


 伏せた三つのコップがあります。そのひとつにコインが入ります。その後適宜シャッフルされますので、どのコップにコインが入っているかを当てましょう。「賭け」ですので、最初に掛け金を決めます。当たれば掛け金は2倍になって戻ってきます。外れれば当然没収、おけらになったらゲームオーバーです。

見事的中! てきとうそうですが肝心な部分はしっかり作られてます

 ゲーム自体はよくあるものですが、本作が優れているのは2点、高速かつスムーズなシャッフル処理と、憂愁に満ちたBGMです。特にメロディとも効果音とも付かないBGMはSOUND文に数値を与えることで演奏しており、独特のもの悲しさをかもしだしています。あたかもいずれ破産する結末を予期しているようで、妙にゲームの雰囲気にマッチ。演出で完成度が上がったと言っても過言でありませんな。

Overflowで強制終了。エミュのステートセーブ機能で見てやったぜ(泣)

 ちなみに本作にはゲームクリアというもがありません。そのかわり全ての変数が整数型であるため、手持ち金が一定数値を超えるとOverflowエラーで止まります(おい)。
 シャッフル処理はてきとうなものではなく、きちんと順番を入れ替えています。エミュレーターの速度調節機能で遅くしてみると、イカサマなしで、ちゃんとコップが入れ替わるアニメーションのとおりにコインが移動しています。これこそが本作の最も優れた部分で、動体視力がよければOverflowで打ち止めを狙うことも可能です(無理)。もっとも、その前にスッカラカンになるか、途中で飽きてBreakするかで終了することが大半ですけど(おい)。

スカンピンの結末。