何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「WORLD」




 すっかり久々ですが先日動作確認が終わったMSX プログラムのご紹介。本日はMマガ87年11月号掲載の「WORLD」です。
 作者さんは前回ご紹介した「DRAGON」と同じ方。動作環境も「DRAGON」同様、「MSXべーしっ君」が必要です。ちなみに掲載号も同じw

氷の魔法は何かがある場所を氷結させる。どんどん暴いていこう。

 「DRAGON」がSTGだったのに対し、「WORLD」はARPGです。フィールドを探索しては敵を倒してキャラを育て、ラスボスの撃破を目指します。主人公は二人。炎の魔法を操る青い戦士と、氷の魔法で戦う赤い戦士。ゲームはなんと2人プレイ用。二人の戦士を同時に操作してゲームを進めていくのは、アスキーのかの名作「ダンジョンマスター」を彷彿させます。さらに「ダンジョンマスター」同様、二人の戦士を同時的に動かす方式で1人プレイも可能。いちおうゲームシステムで1人プレイをサポートしているのはうれしい配慮です。もっとも、シビアなリアルタイム操作を要求されないため、1人でも2プレイヤーモードを選択して、それぞれジョイスティックとキーボードで操作した方が遊びやすいとおもいますけど(おい)。

魔法で凍った場所を炎の魔法で炙ればご覧の通り。
探索には連携が欠かせない。

 フィールド上には、氷の魔法を当てると凍る場所があります。凍らせた後、さらに炎の魔法を当てると、様々な変化が起こります。アイテムが現れたり、隠し通路が見つかったり。フィールド上をくまなく探索するためには、二人の協力が必要です。連係プレーでどんどん進路を拓き、フィールドを踏査していくのが実に楽しいです。マップの広さは4x4画面。アイテムや通路は方々に隠されているので、なかなか探索のしがいがあります。
 そして描き込まれたグラフィックにも要注目。美しいマップやキャラクターは、プレイヤーのやる気をかき立ててくれます。要所要所で出現する敵キャラも、大きくて見栄えがします。

怪物出現。コツを掴めば戦闘は作業と化す(おい)

 その一方、戦闘の出来は今ひとつ(汗)。敵の移動ルーチンはてきとうくさく、動きにスムーズさがありません。敵の隙を見て攻撃を当てるといった戦い方もできるんですが、動きがてきとうなので、見切る醍醐味は薄いです(おい)

対岸から魔法でチクチク攻撃。有効だがおもしろみはないぜ(泣)

 さらに敵キャラはデカい分、縦1キャラ分の通路を通ることができません。ですので島の対岸や橋の上といった、敵が出入りできない位置から、魔法を撃ってチクチク炙るという戦法が非常に有効です。有効なんですが、地味な上時間がかかるので、あんまり爽快感はありません(おい)。

ショップ。アイテムは拾える分で全てまかなえるので、利用価値は低い。

 アイテムは扉を開けるカギと、体力を回復させるハート、お金こと金貨、そしてラスボスの間を開けるために必要な宝珠。鍵とハートは随所にあるショップで、お金と引き換えに買うこともできます。しかしクリアに必要なアイテムは、全てフィールド上で拾える分でまかなえるので、ショップにあまり意味が無いのはもったいないところです。アイテムの配置を見直せば、「ザナドゥ」のようにリソースを管理するおもしろさも加えられたかもしれません。

ラスボス岩石魔神。例の必勝法で倒せる(汗)

 戦闘はいまいちながら、フィールドを探索する楽しさはなかなかのもの。ゲームバランスもボリュームもほどほどでちょうど良く、「DRAGON」同様、作り切れていない部分が目立つものの、悪くはない作品です。

エンディング。「DRAGON」とほとんど同じだが、ロゴがある分少し見栄えがいい。