何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「DRAGON」




 というわけであいかわらずプログラムはゆっくりかつほぼ毎日入力しております。というわけで本日はこないだ動作確認が終わったMマガ掲載作品「DRAGON」(87/11)のご紹介です。
 本作は縦STGです。戦士を操り、ドラゴンをやっつけに行きましょう。シンプルすぎて題名そのまんまの内容ですな(おい)。自機が人間で、剣と魔法のファンタジーの世界が舞台ということは、かの「魔城伝説」や「アンデッドライン」の仲間に入れてよいでしょう(本当かよ)。

ゲーム開始。撃ち負けないよう撃ちまくろう

 本作はライフ制を採用しています。敵にぶつかると主人公の体力が減り、0になったらゲームオーバーです。
 他にも主人公にはショットパワーが設定されています。パワーが高いほど敵に与えるダメージが増え、少ない手数で倒せます。体力もショットパワーも敵を倒すと上昇するので、どんどん敵を倒すほど有利になります。

狭い通路を行く。行く手には敵が立ち塞がる。

 そのかわり敵は硬めです。ショットパワーが低いうちは一撃で倒せません。倒すにはひたすらな撃ち込みが必要となります。攻略の鍵は連射力。特に序盤は連射できないと押し負けするでしょう。どんどんとザコを倒して体力とショットパワーを上げるには、とにかく連射あるのみ! パワーが上がると武器が斧に変わり、見た目も威力も頼もしくなります。なお本作はジョイスティック専用。キーボードが壊れる心配は無用です。

目の前に水路が迫る。ジャンプで飛び越えよう。

 途中現れる川に入ると体力が減ります。そういうときはジャンプで飛び越えてやりましょう。かくしてザコを薙ぎ倒し、山を飛び谷を越え行き着いた先で、ボス敵・ドラゴンと対決。ドラゴンは長い首を振り回し、ファイヤーブレスで攻撃してきます。こいつを倒せばめでたくゲームクリアとなります。

ショット最強段階。金色の斧が頼もしい。

 プログラムは「MSXべーしっ君」専用で、十分な動作速度を確保しています。グラフィックはなかなかきれいに描かれていますし、ゲームの要・ショットもストレスなく連射できます。しかしプレイしていると、いろいろアラが目立ちます。
 まず、動きがぎこちないです。敵の動きがカクカクで、コマ落ちしたかのように迫ってきます。おおざっぱで見た目に不自然なばかりか、避けるのがなかなか厄介です。
 単調さも気になります。グラフィックこそきれいなものの、マップは大きな変化がなく、いまいちぱっとしません。敵の種類も少なく、移動パターンのバリエーションも乏しいです。

ドラゴン出現!しかしどこを撃てばいいのかはわかりづらい。

 それ以上に気になるのは、ゲーム中、全く音がないことです。BGMはさておき、効果音すらありません。ショットが当たっても、敵をやっつけたりしても、全く音が出ません。特にドラゴン戦ではどこへの攻撃が効いているのかが判断できず、ラスボス戦をやみくもに撃ちまくるだけに貶めています。
 効果音は単なる演出ではなく、プレイヤーに「手応え」を伝えるための手段でもあります。発射時に音が鳴れば、ショットを撃ったということがわかりますし、命中時に効果音が出れば、攻撃が効いているとか倒せたということが感覚的にわかります。本作はこの部分がそっくり抜け落ちているので、プレイしていてもわかりづらさが残るというか、いまいち爽快感に欠けます。効果音があるだけでも、間違いなく爽快感と面白さは倍増したので、実にもったいないとおもいます。

懐に飛び込み連打! 破れかぶれだがなんとこれが効果的(おい)

 作品としては粗が目立ちます。ところがゲームとしては意外と悪くなかったりします。それというのも難易度が至って適切なのです。
 難易度は簡単な方でしょう。しかしヌルくはありません。クリアするためには敵を捌くコツを掴み、地形の切り抜け方を覚え、ドラゴンの倒し方を編み出す等、ひととおりの試行錯誤と習熟が必要です。遊ぶほど上達していることがわかり、ちょっとがんばればクリアが見えてくるので、クリアできるまで何度かやってみようかな、という気になります。単調なマップや敵のバリエーションの乏しさといった短所も、1面で完結するという、飽きが来る前に終了するボリュームに救われています。
 全体としてはそこそこ楽しめましたが、内容に比してリストがそれなりに長い上、「べーしっ君」が必要なので、オススメはしづらいです(おい)。出来自体はなかなかいい線行ってます。