先日カシオがすごい計算機を発売するらしいというお話をしましたが、その後居ても立ってもいられなくなり、とうとうやってしまいました。
これや!(おい)
...どれや、というわけでこっち。
MX-10ではなくて、こないだ発売されたカシオの高級電卓・S100です。価格はMX-10の2倍、でもBASICはついてないし「妖怪屋敷」はおろか「スキーコマンド」もできないんだぜ(おい)。
小学生の頃愛用してた電卓が電話番号を20件記録できるカード型データバンク。初めて買ったコンピューターがMX-10。「伊賀忍法帳」や「ゲームランド」を借りて(買えよ)遊んで高校の時はMAP-100を使ってたほどカシオにはお世話になっている荒井、カシオなしでは今の荒井はありません(おい)。
そういうわけでS100も興味津々でしたが、さらに地元の山形カシオで作っているというからには、もはや買わない理由がどこにもありません。気付いたらヨドバシ.comでポチっとな、でした。ところでメイド・イン・ヤマガタなのに、工場最寄りのケーズデンキ東根店やヤマダ電機東根店に置いてないのはどういうことだと!*1
さておき、コンピューターを使っていても、電卓は使う機会が多いです。小遣い帳をつけるためちょっと計算したいときや、画像サイズの変換で拡大・縮小後のサイズを求めたいとき。コンピューターにも優れた計算機アプリが付いているものの、起動する手間はかかりますし、操作はキーボードです。スイッチポンでキーを叩けば即座に使える電卓の使い勝手には敵いません。
そういうわけで荒井のパソコンの横には常に電卓が置いてあるのですが、今使っているカシオの1000円電卓はキー反応が甘くて、押したつもりが押されてないなんてこともしばしば。使い心地に少々不満があったのでした。S100で最も気になっていたのは、そのあたりの使いやすさです。
と、いうわけでスリーブ付きの黒パッケージを開け、S100とご対面。うやうやしく本体を取り出しますと、その重量感に驚かされます。
外観は正直、カシオのよくある電卓と変わりないです(おい)。しかし手に取ると作りが違うことは一目瞭然。金属外装ならではのずっしりとした重み。ひんやりした感触。使っている部材がアルミの削り出しだったりサファイヤガラスだったりと*2、ローライ35やTシリーズのような、往年の高級コンパクトカメラのごとき、凝縮された高級感が漂います。カシオのよくあるデザインの電卓を高級パーツで作り込んだらこうなったという外観は、荒井嫌いじゃないです。
それでは気になっていた使い心地はいかに。はやる気持ちを抑えつつ噂のV字ギアリンクキーを叩いて驚愕しました。
何この打ちやすさ! 何この画面の見やすさ! 何この使いやすさ!
キーを叩けば確実に打てます。キーを押すとそろばんの珠を弾いたときのような小気味よい音がする電卓なんてこれまで見たことがありません。MX-10の消しゴムキーボードとはえらい違い。映りこみやコントラストに配慮したという液晶も、シンプルながら数字が大きく濃く表示され、非常に見やすいです*3。
確実に打てて、確実に見える。基本性能を高めるだけで、電卓がこんなに使いやすくなるとは想像以上でした。小遣い帳をつけるためひととおり計算してみましたが、今までの1000円電卓では頻発していた入力ミスがかなり減りました。この使い心地と作りの良さで3万円なら、まぁ悪くないでしょう。画面がどれだけ見やすいか件の1000円電卓と比べた画像を用意してみましたのでどうぞご参考に。
万年筆の一番の性能が書き味のよさであるように、S100一番の性能は、比類無き使い心地です。
高級品の高級品たるゆえんは、見た目の豪華さや高級パーツを奢っているからではなく、飽くまで使いやすくて丈夫で長持ちするといった、使い込める作りの良さにこそあるのだと思います。外見で奇をてらうのではなくて、基本となる部分を作り込んだ高級機種というのは、開発陣の狙いでしょうし、その方法論は極めて正しいと思います。
格安普及品のMX-10はボロボロになりつつも今でもROMのゲームを動かすことはできますし*4、1000円電卓も15年以上使っていて、今でもちゃんと動きます。
今後のメンテナンス体勢や、内蔵リチウム電池消耗時の処置、耐久性*5等々未知数のところもありますが、カシオ入魂の記念モデルS100も、それくらい永く使えればなと思います。10年経って「あぁ、ほんとうにいい電卓だな。」とあいかわらず愛着をもってキーを叩いているなら本物。この電卓の真価は、その時にこそ問われます。
最後にMX-10とS100のツーショット。同じ会社が作った日本一安いMSXと日本一高い電卓30年越しの邂逅(おい)。欲を言えば関数電卓版とかポケコン版もあればいいなぁ(おい)。
ついでに購入しようか迷っている方へ。迷うくらいなら買っちまえ!(おい)