最近家にあるバーチャルボーイのディスプレイを
本格的に直さざるを得ない状況に陥りまして、自分で修理する羽目になりました。
さいわいネット上で症例と対処法を見つけることができまして、
そのとおり試したらうまいこと直ったので、詳細をここに書いときます。
修理の参考にどうぞ。
http://www.virtual-boy.org/projectvb/projects/DisplayFix.htm
「不調なディスプレイの直し方」(英語)〜”Project:VIRTUALBOY”様
荒井が試したのはこちらのサイトに載っていた方法です*1。
バーチャルボーイのLEDディスプレイユニットは、
フレキシブル配線でメイン基板と接続されているのですが、
このフレキ配線とLED基盤は接着剤で固定されています。
この接着剤の接着力が弱まりますと、フレキとLED基盤が剥離して
メイン基板から映像信号が送れなくなり、表示が乱れてしまいます。
そこでこのフレキとLED基盤を再び固定してやるというのが、修理の内容です。
まずはVBを開け、中からLEDユニットを取り外します。
裏側にあるネジを全て外せば本体は開けられますが、
トルクスネジ用の特殊ドライバーが必要です。
LEDユニットはスピーカーのすぐわきにくっついている緑色の基盤です。
左右にそれぞれ一基ありまして、フレキが延びているので一目でそれと判るでしょう。
基盤を固定している2本の小ネジを外し、
メイン基板からフレキを抜き取れば、本体からは簡単に外せます。
この際フレキをちぎらないように注意が必要です。
ここからが肝なのですが、このフレキユニットをオーヴンレンジで加熱してしまいます*2。
Project:VBさんでは、オーヴンを80℃〜90℃程度に予熱しておき、
余熱が終わったところでLEDユニットをすかさず庫内に入れ、
フレキのクセが直って平らになるのを目安に、同温度帯で2,3分程度加熱するようにと書いています。
うちのオーヴンでは100℃以下の温度指定ができなかったので、
まずは100℃で予熱しておいて、余熱完了後数秒ほどドアを開けて
庫内を適当に冷ました後LEDユニットを庫内に入れ、
フレキが寝るまで様子を見ながら30秒ずつ加熱しましたが、
この方法でも特に問題はなさそうです。
要はオーヴンで弱めに加熱し、接着剤を柔らかくしてやるのです。
この際LEDユニットはアルミ箔を敷いた天板の上に、LED面を表にして置いておきます。
フレキが寝たところでLEDユニットをオーヴンから取り出し、
ひっくり返して接着部分を指でなじませ、LED基盤とフレキを圧着してやります。
さらに圧着部分をセロテープ*3で巻いて固定し*4、外したときと逆の要領で
再び本体に取り付け、本体を組み直せば修理完了です。
修理というよりも、クッキーでも焼いているような作業でしたが、
効果はてきめんで、調子の悪かったLEDユニット2個が見事に蘇りました。
Project:VBさんによればLEDユニットの不具合はよくある故障のようでして、
この方法で直る個体も多いと思われます。
VBはもう任天堂で修理していないだけに、末永く大事に使っていきたいものです。
しかしケーキ作りとカメラレストアの技術がこんなふうに役立つとは思いも寄りませんでしたぜ。