何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

CONTAX Tixデザイン考

先日IXYのデザインについてちょっと触れたので、思うところをまた少し。


畢竟、Tixのデザインの魅力とは、「性能を追求したら、写真機の形になりました!」というところなのです。
小さくとも軍艦*1はありますし、レンズの周りには絞りリングが付いてますし、正面から見れば測距窓と採光窓、ファインダーが整然と並んでまして、
どこから見ても、紛う方なき写真機だというデザインになっています。
APSならではの小さなサイズに、写真機としての性能や機能を盛り込んでいったら、必然的にああいう形になった。
それがカタログに載っているところの「凝縮の美学」「多機能が、美しく、結晶している」ということなのだと思います。


定評のあるキヤノンIXYのデザインは「ボックス&サークル」、つまり写真機の構成要素、
暗箱とレンズを抽象化した記号で、写真機であることを主張しているのが優れているのですが
それとは全く異なるだろう方法論でデザインした結果、こちらも写真機の形を作り上げてしまったところに、デザインの妙を感じます。

*1:ここがモナカ構造のT3との大きな違い。