何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

鶏肉の受難と子供の祭典

前にも書いたかもしれませんが、時期的にちょうどいいのでまたこの話を。


以前荒井がスーパーの惣菜部門で働いていた頃の話。
クリスマスはホームパーティ向けの品物がやたら売れまして、
一年で一番惣菜が売れる日と言って間違いないほどなのですが、
その品揃えの中心になったのは、鶏のモモ焼、オードブル、鶏の唐揚げ、
エビフライ、ピザ、エビチリ等々、いわゆる「ごちそう商材」というものでした。
それを指して惣菜部門の責任者さんがこう言っていたのが印象に残っています。
「要は子供が好きな惣菜だよ。たいていクリスマスパーティは、
小さな子供のいる家庭が、子供のためにやるもんだからね。」
この言葉を聞いた時、日本におけるクリスマスとはいかなるものかが
やけに腑に落ちて、目から鱗が落ちたような気分になったものでした。


イザベラ・バードだったか、明治時代の始めに東北地方を旅している最中、
たまたま村祭りを見物した際、お面や人形、飴や菓子等々、
多くの出店で子供向けのあらゆる品物が売られているのを見て、
日本では子供が大事にされているのだという知見を得ています。
曰く、日本ほど子供を大事にする国はないのだとか。


もともとクリスマスとは、年替わりの冬至の祭りだったわけですが、
それが実質的に、子供を大事にする祭典として機能しているのが、
日本人らしいといえば日本人らしいわけでして、
まぁ、我々日本人に綿々と受け継がれているそうした精神は、
まだまだ捨てたものではないのかもしれません。


毎年言ってますが、せめてクリスマスぐらいは、世界が平和でありますように!
そして子供らに明るい未来を。