何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

チョコレート作ってきた

会場に着くなりでっかいすりこぎがお出迎え。これでゴリゴリやり続けます。

GR III。Photoshop Elementsで縮小


 たびたび通っているホットチョコレート屋さんのお誘いで、チョコレートを手作りするというワークショップに参加してきました。手作りチョコといっても、製菓用のチョコレートを溶かして型に流し込んで飾り付けするといったようなやつではありません。カカオ豆から作るというガチなやつです(おい)。
 チョコレートがカカオ豆からできていることは子供さんでも知っています。ところが実際カカオ豆から自作するという機会はなかなかあるもんじゃありません。

原材料。インドネシア産カカオ豆。産地によって味が変わるそうです。

 固形のチョコレートは、カカオマスカカオバターで練り固めて作ります。カカオマスとは細かく粉砕したカカオ豆です。カカオバターとはカカオ豆に含まれる脂肪分です。ですのでカカオ豆さえあれば、どちらも揃います。
 工程自体は単純です。煎ったカカオ豆の皮を剥き*1、すり鉢でひたすら擂り潰し、いい感じになったら砂糖を混ぜ、型に入れて冷やし固めるだけ…ところがそうかんたんにできるはずがありません。

小一時間擂り潰したところ。
市販品は専用の石臼で数十時間かけて細かくするそうな

 まずはカカオ豆を細かくしなければなりません。煎ったカカオ豆は硬く、なかなか粒が小さくなってくれません*2。ですのですり鉢とすりこぎで根気強く擂り続けなければなりません。本当にコレが見慣れたチョコレートになるのかと疑心暗鬼に陥りつつ(おい)。
 かくて小一時間擂り続けると、細かくなった粒がしっとりしてきます。こうなると粒がすり鉢の底に張り付いて、すりこぎが効かなくなります。しっとりしてくるのは、件のカカオバターがにじみ出て粒子が固まってきたおかげ。ここですり鉢を湯煎にかけてカカオバターを溶かし、底から剥がしてやります。剥がしたらまたすり鉢でゴリゴリ、です。

湯煎でカカオをひっぺがし中。カカオバターの溶解温度が口溶けの理由。水分厳禁。

 チョコレートを作る、というと女の子のたしなみみたいなイメージがあります。しかしやってることはまったく労働集約的な力仕事。農産物加工所で農家の母ちゃんたちが樽で漬物やら作ってるようなかんじです。
 一人でやり続けるには骨が折れるので、参加者らで交代しながら作業に当たります。「腕力のある男性の方が向いているかも」と、主催のチョコレート屋さんは仰ってました。だから荒井に声がかかったのかw

砂糖投入。砂糖がなじむまでまたゴリゴリを繰り返す。
作業時間の大半はすり鉢でゴリゴリです。

 かくて擂り潰しては湯煎でひっぺがし、を繰り返すこと数回。擂り潰すほど艶も滑らかさも増し、硬かったカカオ豆が、すっかりペースト状に変貌します*3。そうなったら砂糖を投入し、さらに擂り潰しては湯煎すること2,3回。ようやくチョコレートの素のできあがりです。あとは型に入れ、冷蔵庫でしばらく固めれば完成です*4

できあがり。ザクザク食感のチョコとしてこれはアリ。

 できあがったチョコレートは、歯触りがザクザクしています*5。市販品のような滑らかさはないものの、非常に香りが良いです。原料はカカオ豆と砂糖だけ。実際にこれだけでカカオ豆から見慣れたチョコレートが作れてしまうのは、なかなかに衝撃的でした。チョコレートがカカオ豆からできているのは本当だったんだ…(おい)
 カカオ豆からチョコレートが手作りできるらしいという話はなんとなく耳にしていて、けっこう興味がありました。今回縁と機会を得て、ワークショップに参加したのでありますが、家庭科実習のようで非常におもしろい体験をすることができました。普段食べているものがどのようにできているのかを知るのは、有意義なことです。
 夏休みの自由研究にもよさそうだとおもいましたが、夏は暑いからチョコレート作りには向いてないんですよな(おい)

昼餉。主催者さんらによるチョコロールとサンドイッチ。すてきにうまかったぞ。

 

*1:お茶にするとおいしいので、皮を捨ててはいけないぜ。

*2:粗く砕いたやつはカカオニブです。

*3:今回テンパリング作業はなし。湯煎が代わりになったんじゃないかとおもいます。

*4:型に入れるのが一番大変だった(おい)

*5:近いものを挙げればブラックサンダーみたいなかんじです。クッキーとかまったく入ってないのにクリスピーだぜ。