何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

大洞山に登ってきた

元中山の旧道入り口から望む大洞山。

GR III。PhotoShop Elementsで縮小


 そういうことで、大洞山(おおほらやま)に登ってきました。大洞山は南陽市の小岩沢地区にある里山です。標高は737.2m。山形の山でもマイナーな方ですが、実は一等三角点を頂いています*1。月山・葉山・白鷹山等々、一等三角点のある山の多くは展望がよくてメジャーだったりするもんですが、全てという全てがそういうわけでもありません。今回登ってきた大洞山は、そういうわけでもない方です(おい)。

小岩沢子易観世音の駐車場。ここまでは車で来られる(!)

 一等三角点があるのにマイナーである理由は、なんといっても登山道がないことでしょう。快適に登るための道はまったく整備されていません。それでもネット上には登頂報告がいくつか転がっているので、登れないわけではありません。さいわい今は早春です。藪がヒドそうな山を登るなら、今をおいて他にはありません。
 登る方法はいろいろあるのですが、今回は最も手っ取り早いであろう、小岩沢からのルートを選択。とはいえ廃道と化した旧い道と獣道のような踏み跡があるだけなので、地形図は必須です。

小岩沢子易観世音再び。初夏はアジサイが見物らしい。

 登山口は先日行ってきた小岩沢の子安観世音*2。ここまでの道は二週間前はまだ雪の下で、とても車で行ける状態ではなかったのですが、今回はなんと、車で入れるようになっていました。道を覆っていた雪は消え、行く手をふさいでいた倒木もすっかり片付けられています。駐車場のあたりはきれいに雪を掃いた跡さえあって、地元の人々の崇敬の篤さがうかがえます。観世音さまに軽く再会のあいさつを済ませたら、さっそく登山開始です。

まさかの登山口と杉林。本当に道なのか不安になった。

 まずは子易観世音前からいきなり杉林の中に突っ込みます。突っ込んだら溝みたいな道跡があるのでこれに従って登っていきますが、一見これが道であるとはわかりません(おい)。本当にこれでよいのかと不安になりつつしばらく直登すると、あたりの木がブナに変わり、九十九折りの道跡が現れます。

中腹九十九折り地帯。いかにも廃道といった趣。

 九十九折り地帯は、杉林の直登よりも道跡がはっきりしています。しかしところどころ倒木があり、素直にトレースできる状態でもありません。さらに中腹に近づくほど残雪が厚く積もり、道を判りづらくしていました。
 登る分には目的地がはっきり見えているのでどこを登ってもよいのですが、帰りはどこを下っていいわけでもありません。下手に下るとあさってのところに出て道に迷う恐れがあるのです。整備されていない里山には、整備が行き届いた高山とは異なる怖さがあります。

古道の峠。左に見える分岐が青井流への道

 この旧い道跡は、小岩沢と、山を隔てて隣り合う青井流(あおいながし)地区とを往来する峠道です。この峠も往時はそれなりに利用されていたのでしょう。青井流は戦後の一時期人が住んでいたのだそうですが、廃村となって久しく、それに伴いこの峠道も廃れてしまったのでしょう。
 慎重に道跡を見定めながら登っていくと、やがて鞍部に出ます。ここまで来れば一安心。鞍部からは青井流に下る道が分岐し、ここが間違いなく峠であることを示しています。ここからは鞍部と交わる尾根に従って山頂を目指します。

ヤブっぽい急登と残雪の林。3月だから登れたようなものだ。

 鞍部から先はなんとなく道跡があるものの、ところどころ潅木や小枝が張り出し、獣道みたいな有様です。春先の今だからまだ快適に歩けますが、夏場の様子は想像したくありません(おい)。
 地形を見ながら尾根を追い、急登を進んでいくと、山頂直下でまた残雪の林に突っ込みます。踏み抜きで足がズボズボ雪に埋まり、歩きづらいことこの上なし。道跡は完全に雪の下です。来た道を見失わないよう、持参した道迷い防止用色テープのお世話になりました。

一等三角点大洞山。大洞の名は高速道路のトンネルの名にもなっている。

 林を抜ければ山頂まではもうすぐです。コンパスを見ながら平場を歩くことしばらく、とうとうお目当ての一等三角点にたどり着きました。子易観世音からは1時間少々の行程です。

三角点から見た山頂付近の様子。木の合間から周囲の山が見えた

 一等三角点の周囲は猫の額ほどの広場です。傍らには錆びたドラム缶が曰くありげに転がっています。あたりは立木の林で、すっきりとは見通せません。夏になったら何も見えないでしょう。
 ただし今は早春です。冬枯れの木々の合間からは、月山や朝日連峰蔵王や元中山のバイパス、小湯山(こようざん)など、周りの山並みが覗けました。反対側を向けば木立の間に置賜盆地の田園もなんとなく望めます。この林がなければ、周囲を見晴らすには決して悪くない場所です。
 このあたりは置賜盆地と村山盆地の境にあたります。ゆえに大洞山は一等三角点に選ばれたのでしょう。

方々でネコヤナギを見た。春ですな。

 帰りは来た道を忠実にたどります。往路で残雪に付けた自分の足跡が恰好の目印となり、迷うことなく無事下りてくることができました。残雪も良し悪しです。最後に子易観世音に道中の無事を感謝して、帰途に就いたのでありました。


 道はよくありませんが、大洞山の地形自体は非常にわかりやすいです。ですので地形が読めると大いに助けになります。というか地形が読めることが登るための第一条件となるでしょう。参考にコースタイムは以下のとおりです。休憩込みで往復2時間程度の行程でした。


10:07/小岩沢子易観世音-10:20/九十九折り地帯-10:40/鞍部-10:52/急登-11:13/山頂前平場-11:18/山頂-11:28/山頂発-11:32/残雪地帯-11:56/鞍部-12:09/杉林-12:13/小岩沢子易観世音


 有名無名ともども、山形にはまだまだ一等三角点が存在します。こちらも行かねばなりませんかね(おい)。

締めに近所の一好食堂さんに寄る。旧道通ってでも食いたいラーメン。

 

*1:美濃の郡上のあたりにも同じく「大洞山」という一等三角点の山がありますが、そちらは「おおぼらやま」と読みます。どちらも点の記で確かめたぞ。

*2:この観世音様が地形図に載ってないので要注意です。

小岩沢子易観世音に行ってきた

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この石造りの祠が子易観世音です

 二週間ばかり前、南陽市の小岩沢子易観世音に行ってきました。
 岩部山トンネル手前から旧道に入り、JR中川駅の裏手からしばらく山に向かったところにあります。なんでも平安時代初期の建立で、当地で活躍した慈覚大師の一番弟子・安然の徳を称えて地元の長者が安置したと伝わっています。


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 至る道は倒木や残雪で車が通れず、大分手前から残雪を踏みしめ歩いて行くことになりました。本当はその裏山にあたる大洞山(おおほらやま)に登りに行ったのですが、こちらの方は登り口がよく分からずあえなく撤退(泣)。
 もちろんこのままでは収まらず、昨日改めて登頂を果たしてきました。というわけで大洞山の話に続く(おい)。

南高節とか柳瀬嵩案件

www.j-cast.com


 例によってお題と記事はあまり関係なく、その昔「免許証の顔写真がまるでテレビに出てくる犯罪者みたいだ」と、自分の運転免許証の写真写りを嘆く人は多々いました。
 しかしそれは逆で、テレビなどに出てくる犯罪者の写真として、有り合わせに免許証の写真が多く使われたものだから、そのように見えてしまうという側面がありました。


 「キラキラネームには碌な奴がいない」とヤフコメとか*1でさんざん言われてますが、この場合名は体を表すというよりも、悪いことをやった人がたまたまそういう名前だから、悪し様に言われているだけのような気もします。何百年前の日本人からすれば、今の日本人の名前なんてみんなキラキラネームみたいなもんだろ(おい)。

*1:もともとコメの質が全体的にアレだしな。

ごま蔵なんてのもやってました

h-k.cc
 ついさっき知ったこと。山形県におけるコメダの営業母体はめん蔵やってるところと同じだった(おい)。

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それはそうと荒井は焰藏さんの方がなじみが深い(おい)

クレーム付けたのはおそらく東北人でも被災者でもない人だろう

mainichi.jp


 被災地に配慮してくれる気持ちはありがたいが、大きな災害があった日だからとそんな理由で災害とは切り離して捉えるべきお祝いを控えられても、いちおう東北人の荒井、困惑するしかありませんで。
 被害に遭ったからといって、他の方の慶事を呪うほど東北人は落ちぶれちゃいません。

ぼっちだから代表並びをする必要がない(おい)

otonanswer.jp


 荒井がしばしば行くラーメン屋さんはどこも代表並びを禁じてますので、行列店にとっては頭の痛い問題のようです。
 余計な気遣いをさせたところで、お店にとっても客にとってもいいことは何一つありません。ですので代表並びをはじめ、お店に迷惑をかけたり無用に困らせるようなことはやっていけないとは、常々肝に銘じていることであります。どうせ食べるなら、その場にいる全員が気持ちよく食べたいですよな。

趣味文に載ったらしい

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立派なノートなので何書こうか迷ってます(おい)。

 突然ですが枻出版社さんからノートをいただきました。先日同社のさる雑誌の特集記事向けアンケートに回答したところ、それが採用されたので、謝礼に送ってくださったようです。こないだ民事再生法を申請したばかりで台所事情も苦しいだろうに、よく返礼をくださったなぁと、その律儀さに深く感じ入るばかりです。枻さん&編集部の皆さんありがとうございます。むしろあんな悪筆載せて問題はなかったのか(汗)


 それでさっそくその雑誌が発売日を迎えたので、どんなふうに載ったんだろうと探しに行ったのですが、さっぱり本が見つかりませんでした。八文字屋やこまつ書店、戸田書店等々、山形市近辺の本屋さんを8軒ばかりハシゴしたんですがそれでも(泣)。
 昔からは山形では雑誌が店頭に並ぶのが中央より1日は遅くて、さらに週末を挟んだりするとまた1日遅れます。そんなことは30年も前にベーマガポプコムを愛読していた頃におもいしっていたことなのでありますが、21世紀も5分の1を過ぎてなお、流通事情が変わっていないことをまたおもいしらされたのでありました。地元の本屋さんにはいつ入荷するんだ...(号泣)